体外受精で妊娠できるし今更オペはあまり意味がないのでは | 両角 和人(生殖医療専門医)のブログ

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生殖医療専門医の立場から不妊治療、体外受精、腹腔鏡手術について説明します。また最新の生殖医療の話題や情報を、文献を元に提供します。銀座のレストランやハワイ情報も書いてます。

移植しても反復不成功の為、腹腔鏡手術に関して担当の先生に質問した所、「体外受精で妊娠できるし今更オペはあまり意味がないのでは。何も変わらないですよ」、と言われました。いかがでしょうか?

 

この様な質問がありましたのでお答えします。

 

実際のところ、生殖医療専門医の中にも腹腔鏡手術の経験が全くないか、またはかなり前に見たことがある程度の医師は少なからずいて、現在も外来などで忙しい中、執刀医として頻繁にオペをしているとなるとかなり少ないと思います。


もしかしたら、執刀の経験が無いため正しい事が本当はどうかわからないけれど、わからないと言うのは言いにくいのでこのように言っているかもしれません。


意味がないと言われた場合、聞きづらいかも知れませんが、担当の先生に実際に腹腔鏡手術の経験があるのかを聞いて見るのも判断のためには良いのかもしれません。

 

なお、「腹腔鏡手術に関する論文でエビデンスがないのでは」、という先生がいるかもしれませんが、オペに関する論文は読む際に注意が必要であり、論文は、どこの施設で、どの位経験がある医師が執刀したオペかにより大きく結果が左右されます。

つまり同じ一つの術式でも経験が3年と20年とでは結果に大きな差が出てきます。特に腹腔鏡手術のように技術が問われる内容ではさらに評価が難しくなりなかなか参考にはなりません。

当院のデータでは体外受精反復不成功の方に対して腹腔鏡手術をしておりオペ後移植すると全体では58%の方が妊娠しており、30代の若い方だと妊娠率は8割を超えています。

 

体外受精と腹腔鏡手術の両方を駆使して妊娠という結果を出せる方が多くいます。そのため体外受精で結果が出ない場合には腹腔鏡手術を受けてみることを強くお勧めします。


こちらにYouTubeの動画がありますのでよろしければご覧ください。

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