ICSIから生まれた男児の精液所見は自然妊娠と比較して差はない。今月号のFSから。 | 両角 和人(生殖医療専門医)のブログ

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顕微授精(ICSI)から生まれた男児の精液所見は自然妊娠と比較して差はないという内容の論文が今月号のFSから出されていたので紹介します。

治療を受ける際に男性不妊は子供に遺伝するのかどうか不安を抱えている方がある程度いると思います。

無事に生まれたけど男の子なら精子が少なくなるのでは、それは心配、そう思われる方がいると思います。

この論文はその様な心配はないとしています。オーストラリアからの報告です。

体外受精と顕微受精で生まれた男性と自然妊娠から生まれた男性の精液所見を比較検討しています。

結果としては以下の表の様に乏精子症になる可能性は両者において差は出ていません。また精子濃度、運動率なども両者において差は認められませんでした。

この様な結果は治療を考えているカップルに対して積極的に開示して不安を取り除くことが必要だと思われます。

今回の論文から顕微授精でも生まれる男児の精子は問題ない、そう考えて良いと思われます

Fertility and Sterility® Vol. 117, No. 4, April 2022

Reproductive function in men conceived with in vitro fertilization and intracytoplasmic sperm injection