自然周期で胚移植を行う場合、経膣的に黄体ホルモンを補う方が明らか成績が良くなる:来月号の論文から | 両角 和人(生殖医療専門医)のブログ

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自然周期で凍結胚移植を行う際にホルモン補充を行うべきかどうかは議論があり結論が出ていません。論文によっては補充すべきと述べているものあれば変わらないという論文もあります。この来月掲載される最新の論文ではRCTでどちらが好ましいかを検討しているためかなり有用な内容と言えるため紹介します。

488名の方を対象にして、そのうちの半数は移植の日からルティナス(100mg)を朝夕で使用、そのうちの半数は何も投与しない群として前方視に検討しています。

以下結果です。

    黄体ホルモン投与群  コントロール群          オッズ比

出産率   34.2%                           24.1%            1.625  95% CI 1.102–2.428

妊娠率      42.8%                           33.9%              1.465, 95% CI 1.012–2.108

結論

自然周期での凍結胚移植において経膣からの黄体ホルモンの補充は臨床成績を非常に有意に改善していることがわかります。

 

この結果から言えること

この結果から成績を高めるためには自然周期でも黄体ホルモンの補充は必要だと言えます。

 

Human Reproduction, pp. 1–9, 2022(未定のため)

Progesterone supplementation in natural cycles improves live birth rates after embryo transfer of frozen-thawed embryos—a randomized controlled trial