移植しましたた陰性でした。子宮の形がキツく移植が難しいと言われました。移植に問題があったのかとも思いますが何か対策や自分でできることがあるのでしょうか?
この様なご質問がありましたのでお答えします。
胚移植が難しい場合には色々と工夫して良い場所に移植するようにします。
前屈がきつい場合でソフトなカテーテルが入らない場合には少し固めのカテーテルに変えて、それでも入らない場合にはスタイレットを用います。
クスコの角度を変えて入る様にすることもポイントです。
事前に子宮鏡検査で確認しておくことも大切です。
またどうしても入らない場合マルチン鉗子を用いて子宮の頸部をひっぱり角度を緩やかにして移植する事もあります。
移植困難な場合には出血が増えたり、内膜に傷がついたりして妊娠率が低下する事が分かっています。
(過去の記事の移植困難例も参考にしてください)
移植困難例に対して、妊娠の結果に影響を与える因子に関して調べている報告がFertil & Sterilにありましたので紹介します。
7,714周期の移植を分析しました。
移植が容易であったものの妊娠率は38.2%
移植が困難であったものの妊娠率は27.1%
外筒が必要とした場合のオッズ比0.89
Wallace スタイレット使用の場合のオッズ比0.71
マルチン鉗子を使用した場合のオッズ比0.54
いずれの場合も妊娠率が低下しました。
また超音波ではっきりと確認できなかった場合にも妊娠率は低下しました。
結論
胚移植の際に通常と異なる追加の操作を加えることにより妊娠率が低下することがわかりました。
この結果から言えることとして
移植は妊娠率に直結する最も大切な過程です。
なるべくスムーズに行えた方が良い事は間違いなく、出来るだけ子宮内膜と胚へ負担をかけない手技で行う事が必要だといえます。
Fertil Steril. 2017 Mar;107(3):657-663