イノベーション創出のための4つのヒント | 知財を活用した「知財ポジショニング戦略」 徹底解説!

知財を活用した「知財ポジショニング戦略」 徹底解説!

仕組みやモノのアイデア権利化コンサルタント・弁理士 遠藤 和光

イノベーションを創出する可能性がある発想法としてシーズ型

というものがあります。シーズ型は技術の使い途を考える発明創造法で、

大発明に多く見られます。

 


一般的にはニーズ型の発想法で発明が生まれます。
ニーズ型はまず課題を設定し、その課題を解決するための手段を考えて
発明が生まれる発明創造法で、改良発明に多く見られます。

必要は発明の母といいますが、これはニーズ型のことですね。

 


シーズ型の発想法では、失敗から発明が生まれる場合があります。
失敗は成功の元ともいうので、失敗は発明の父といっても
いいのではないかと思います。

 

 

これから紹介するイノベーション創出のための

4つのヒントはーズ型の発想法から生まれるものです。

 

 


(1)自社の得意な技術を他の用途に活かす
まずは、自社の得意な技術を他の用途に活かしたものを紹介します。
具体的には、富士フイルムが開発して商品化した化粧品があります。

 

フィルムの会社が化粧品を作るとは驚きですね!

 

富士フイルムは写真フイルムの製造に必要なナノ技術を持っていました。
写真フィルムはコラーゲンを主成分とする約20μm厚さの薄膜中に
ナノレベルの色粒子を分散させたものです。

 

 

 

 

ところで、1mmの千分の一が1μm(マイクロメートル)
1μmの千分の一が1nm(ナノメートル)です。
つまり1mmの百万分の一が1nmです。
髪の毛の太さが0.1mm位なので、

1nmがいかに小さいかが分かると思います。

 


コラーゲンをナノ技術を使ってナノレベルに微小化し、

コラーゲンが肌に浸透しやすい化粧品アスタリフト」が完成しました。

 

 

貴社の技術を他に応用できるか、考えてみてはどうでしょうか?

 

 


(2)自社の製品に他の要素を付加して新たな用途に活かす
一般的な製品でも他の要素を付加することで新たな用途や価値を

生み出すことができる場合があります。

 


他の要素として、最近話題になっているIoTユニットがあります。
IoTは、Internet of Things(モノのインターネット)の略です。
IoTユニットは、通常は加速度等を検出するセンサと、

検出されたデータを処理する処理部と、

処理されたデータを外部に送信する通信部とを有しています。

 


自動車のワイパーにIoTユニットを付加し、その出力データを

時系列的に観察することにより、だんだんと振動が大きくなった場合は、

ワイパーのゴム部分がすり減って交換時期が近いということになります。

 

交換時期が近いことをドライバーに通知して交換を促すという

サービスが考えられます。

 


また、多数の自動車の位置情報とワイパーからの出力データを

ビッグデータとして解析して豪雨地域を特定するという

サービスも考えられます。

 


自社の製品に他の要素を付加し、それがどんな用途に使えるか
考えてみてはどうでしょうか?

 

 


(3)失敗から発見した技術を新たな用途に活かす
失敗を分析することにより新たな技術を発見する場合があります。

 


このような事例として、本や資料の必要な箇所に貼り付ける
付箋符の「ポスト・イット(登録商標)があります。

 

 


これは、大手化学メーカー3Mの研究員が接着力の強い接着剤を
開発しようとしていたところ、弱い接着力ができてしまった
という失敗が元になっています。

 

 

弱い接着剤を活かして何かに使えないかと用途を考えた結果、
落ちないしおりに使えることに気が付いたということです。
用途を発見したということになります。

 

 

実験に失敗しても「失敗する方法を発見した」と考え、失敗した技術を
何かに使えないかと考えるところに発明のポイントがあります。

実験ノートを記録しておくことは、将来何かの役に立つかもしれませんので、
習慣化したいですね。

 

 


(4)欠点が長所になるような使い方を考える
小説家の徳冨蘆花(とくとみろか)欠点は常に裏から見た長所である。
という名言を残しています。

 


その意味は本人は語っていませんが、おそらく仕事が遅いという欠点も
裏から見れば仕事が慎重又は正確という長所となるという意味ではないか

と思います。

 


例えば、金庫は開けるのが面倒という欠点があります。

 

 

 

その欠点が長所となる使い方を考えて「禁欲ボックス

というものが作られました。

 

写真はスマートフォンがボックスの中に

入っていますね。

 

 

「禁欲ボックス」は「タイムロッキングコンテナ」という

商品名で通常サイズで約1万円位で販売されています。

これは2019426日にテレビ朝日の羽鳥慎一モーニングショー

で紹介されていました。

 

ロックがかかる時間(1分~約10日間)を設定できるようです。
スマホをいじる癖のある人は、スマホを禁欲ボックスに
入れておくことにより仕事や勉強がはかどるかもしれません。

 

身近にある不便な物でも長所となるような用途を考えて
イノベーション創出してみてはどうでしょうか。

 

 

今回の話しは貴社(あなた)のビジネスのヒントになったでしょうか?

 

 

 

 

※追伸

◆アイデアで起業を考えている方、
アイデアを形にしたい方、
発明力を付けたい方、

「ビジネス特許徹底ガイド」
をお勧めします。今なら無料です!
  ダウンロード
はこちら
      ↓↓↓↓