山口さん通信【東十条さん編】
私の両親は宮城県栗原市で暮らしています。
3月11日は最大の震度7を記録し、全壊した家もあったそうですが、死者は出ませんでした。
海から遠く離れていたのと、数年前にあった地震で準備が出来ていたことが不幸中の幸いでした。
両親の住む地域では、お盆に「盆棚」というものを作ります。
仏壇に餅や赤飯を備え、笹を立てて、仙台七夕の様に色とりどりの折り紙できらびやかな飾り付けをします。
私は今年初めてその由来を知ったのですが、それにはお盆に帰って来る死者が迷わぬ様に、きれいで派手な目印をかざすという意味があるそうです。
普段はわりといい加減に作っていたのですが、今年は、家族みんな流されてしまった人、供養してくれるはずの一族がみんないなくなってしまった人、帰るところがなくなった人達はみんなこっちに来て餅食ってったらいい、 そんなことを話ながら作っていました。
栗原は田園地帯です。今の時期は実りかけた稲穂がきれいです。
両親は毎年挨拶代わりに無料で新米を送っている知人から、お金を払うから古米をたくさん都合してくれと言われていました。
なんだか哀しいですが、特に小さいお子さんがいる家では仕方がない部分もあると思います。
これからどんな検査結果が出るかわかりませんが、農家も消費者も、自分の考えを持って対処していくことが必要になってくると思います。
支援のやり方も被災地の農家も、答えの出ない難しい状況におかれていくでしょうが、刻々と変化する情報を受け入れつつ惑わされない判断力をもっていい方向に向かえるよう対処していきたいです。