地域住民との人間関係が円滑であれば井上先生がおっしゃっているように家族や知り合いの声がけでフォローできることもあるかと思います。

 

 でも、もし、人間関係が既にうまくいっていなくて、認知症や障害を持つ家族のことを迷惑に思っている人がたくさんいる避難所で長い間生活しなければならなくなったら?どうなるかは想像できますよね?

 結論から先に言いますね。自宅でライフライン復旧して普通に普段通りの生活ができていてご近所づきあいも円滑であるご家庭以外は、

 

「認知症や障害のある家族がいるご家庭は、家族全員で被災地外避難して下さい!」

 

 認知症や障害のある人は、急激な環境の変化に弱く急激な症状の悪化もありえます。

 

 でも、冷静になってちょっと考えてみて下さいね?地元であっても被災により環境や生活パターンが変われば、「今までと同じ環境ではない」ってことを。

 

 そう考えると今までと同じような生活ができる環境へのお引越し(被災地外避難)を早期にすることは、避難生活中の一番のストレス解消法になりえます。

 

 断水で給水車が来ないと水が使えないような環境で予想外に長期間過ごせば、高齢者や障害や基礎疾患がある方は免疫力が低いので、衛生上の問題から体に異変が起こる可能性もありえます。新型コロナやインフルエンザの感染リスクもあります。

 

 避難所生活中にお亡くなりになる方もいらっしゃいます。親しい人の死を目の当たりにして軽度の認知症や障害のある人は取り乱した状態が長く続いてしまう可能性もありえます。

 

 実際に、避難生活が長期化した地域では、避難所や仮設住宅でお亡くなりになった方もたくさんいます。

 

 宮城県にいる私の伯母も東日本大震災で家も家族も流され亡くしてしまい、長い避難所生活を経てから仮設住宅で何年も暮らしました。今も生きている伯母は同居していた家族二人を津波で亡くし被災直後は一人で避難生活をしていました。

 

 下の画像は、東日本大震災のニュースを自宅でテレビで見ていた時にそのテレビ画面をガラケーで撮影し保存していたものです。地震があった時に伯母が仕事で気仙沼へ出かけていたことを知っていたからとっさに写真を撮りました。

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 家族を津波で亡くして見舞金もらってたから家を建てるお金はあったんですよ。

 

 でも、東京オリンピックのために建設資材も人も東京へ運ばれてしまい、仮設住宅から引っ越したくても引っ越す家を建てられなかったんです。

 

 何か大きな国をあげたイベントがあると被災地復興は後回しにされてしまいます。

 

 オリンピックとか万博とかやってる場合じゃない時に自国内で強行しちゃうのが日本という国プンプン

 

 今回の能登半島地震の被災地の皆様は、早期復興は難しいと考えて早めに被災地外避難しておいた方が、被災者自身の今後の生活の立て直しは早いでしょう。

 

 避難所生活によるストレスから、認知症や障害を持っている人は症状悪化してしまい今まではおとなしかった人も問題行動を起こし周囲の人たちに迷惑をかけてしまうこともありますし、「周囲に迷惑をかけてはならない」と思っている家族も人間関係の悪化によりストレスで心身不調に陥ってしまうこともあります。

 

「東日本大震災の時ほど被害は酷くはないはずだから、すぐに復興できるはず」

 

なんて甘い考えでいたら避難生活が長期化した場合、認知症や障害を持っている本人だけではなくその家族も介護と避難生活によるストレスと疲労から心身不調に陥るリスクが高まるので早めの被災地外避難を決断して下さい。

 

 家事や育児や介護の疲労やストレスが積み重なって自殺や無理心中をしてしまう人もいるので、介護保険活用してヘルパーさんに来てもらえたり、デイケアやショートステイ利用したりしやすい環境選んで被災地外避難を早めに決断した方が良いです。

 

「育児や介護している人は、被災地でワンオペ育児や介護なんて無理はしないで下さい!あなたが死んだら残された家族の世話は誰がするんですか?」

 

 被災地で介護者である家族が倒れたら、生活成り立ちませんし、ヘルパーさんやデイケアやショートステイ利用できない環境にいたら認知症や障害のある家族も共倒れになってしまいます。

 

 仕事の都合で家族みんなでお引越しは無理でもお父さんだけ単身赴任状態で残して、他の家族は全員で被災地外へ避難してしまえばいろんな意味で家族の安全は守れます。

 

 よく考えて早めの決断、行動することをお勧めいたします。

 

 本当に、被災地復興には予想外に時間がかかるものなので。

 

 

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 私の祖母は認知症でした。以下は、ほとんどノンフィクション小説です。

子供に戻っていった祖母と仮面をつけた私 page1 - 『鬼畜の戯言』菊池乱☆出版社の倒産により現在電子書籍配信ストップ中 (fc2.com)

 

 

 

 

※誤解があったようなのでわかりやすく本文中に説明追加しました。母方の私の伯母は生きています。亡くなったのはその伯母の母で「おばちゃん」と呼んでいた私の母の伯母です。私の祖母の世代のおばあちゃんの「おばちゃん」が津波に流され亡くなりました。離れて暮らしていた子供が帰ってきたので仮設住宅を出なければならない期限までに家を建てて今は伯母は子供と一緒に暮らしています。