「な…ななな!!なんで勝手に食べてるんですか!?」

キョーコは蓮を指差して言うが、

「え?だって俺のでしょ?」

蓮は首を傾げて、さらにもう一個、口に入れた。

「だ、誰がそんな事言ったんですか!?」
「琴南さん。」

奏江の名前が出たキョーコは、すべてを悟り、

「も…モー子さぁあああん!!内緒って言ったのにぃいいい。」

キョーコは奏江に対して怒りを覚えたが、

「…知らなかったよ。最上さんがそう言う風に俺の事を思ってくれてたなんて…。」

蓮のそのセリフにキョーコは大きな瞳を揺らした。

「あ…あの…私…。」

肩が震え、キョーコは怯えた。自分の気持ちを知られてはならなかったのに…。

知られれば、後輩としても、そばに居られなくなるとわかっていたのに…。

「わ…忘れてください…。」

涙が瞳から流れて、頬に伝う。

「忘れてください…お願いします…。」

頭を下げて、キョーコはお願いする。

「嫌だ。」

だが、彼はそう言ったので、キョーコは頭を上げて、大きく開いた目を彼に向けた。

「どうして、忘れないといけないのかな?好きな子が俺の事、好きだって言ってくれたのに…。」

蓮が輝かしい笑みをキョーコに向け、彼女に近づくと、頬に触れる。

「敦…賀さん…?」
「…好きだよ。最上さん。」
「…!?」

改めて告白されたキョーコは、ようやく告白されている事を理解したようで、

「う、うそです!また私をからかってるんですよね!?」

それを何かの冗談だとキョーコは思った。

「からかってないよ。本当に君が好きなんだ。」
「っ…ほ…本当に…?」
「本当に。」

彼はとても嘘をついているようには見えなくて、キョーコは、再び涙を流す。

「信じていいんですよね…?もう返品はできませんよ?」
「うん、いいよ。返品する気もないから。」

蓮はキョーコの涙を指で拭うと、彼女を抱きしめた。

「…好きです…敦賀さん…。」

大きな背中にキョーコは腕を回し、

「俺もだよ。」

蓮と見つめ合うと、つま先立ちし、彼とキスを交わす。

「もう一回、してもいい?」
「…はい。」

一度、唇は離れたが、二人は再びキスをする。

『初めて』のキスは、甘さ控えめのチョコレート味がした…。



あとがき

と言うことで!

こんばんわ!ローズです。

一話で終わらず、三話になってしまいました。

それではまたノシ