またホラー観に行っちゃった

うちゅうきょうだい抜いたんですってね


さだこスリーデー


日本のホラーはいかんよ

ドラキュラや、魔女なんかよりずっとリアルなんだからね!


どんだけ怖いのかと

失禁覚悟で行ったけど

・・・そうでもなかった


怖がらせようというより

驚かせよう、としている感じで


「わっ!ビックリした!!」とは思うけど


ジャパニーズホラーって、それじゃダメでしょ?


こう、もっと心理的にドロドロとしていて

粘着質な感じが怖いじゃない?


どう考えて、どんなこと思って

どうしてそんなんになっちゃったのか

そこにはどんだけ執念があって、虚しさがあって

どんだけ怨んでるんだって、ところが

一番の醍醐味だと思うんだけどなぁ


バーンっと出て、ばぁ~って怖い顔して

画面から手に二ョーって!!


彼女の悲しみ、無念が伝わらない



私はファーストカット

井戸の底から空を見上げる彼女視点に

心底世の中を睨んだってのに

あのセンチメンタル、返してくれ




しかも

あの形体が納得いかないんだよなぁ


あれ、もう人じゃないモンね!!


あの最初に観た時の

あのTVから出て来た時の

あの動き

あの衝撃といったらっ!!





生前、とても酷い目にあって

彼女はつまり「怨み」を残している訳なんだけど


私はあまり根気のない人間なので

多分、酷い事をされて死んでも

対して怨まず納得しちゃうような気がする

「ま、いっか」って


「私もそれなりに酷い事やってきたしね」って



そこで

「怨み」について考えて見た




人に初めて殺意を感じたのは学生の頃だ


私程やんちゃではない可愛い友人が

よりによって私の身代わりに拉致られた

深夜走り回って探しても彼女はいない

「助けて」と電話を聞いただけ


翌朝見付かった彼女の体には

生涯消えない傷が残った


この時の「怒り」といったら

「憤怒」と言うべきか「怨み」と言うべきか


漫画のように自分の頭から湯気が出るような

血が沸騰するような

何とも言えない感情に自分の理性は到底追い付かず

若さのせいもあったのだと思うが

誰も私を止められなかった


末代まで呪ってやる


そんな感じだ



そう。

私は刺し違えて

しかも呪う覚悟で乗り込んだ




考えれば

私は私の大切にしているものを傷付けられると

この上なくキレる


自分の痛みは我慢出来るのに


人の痛みを「見る」ことに耐えられないからだ

全てを感じることは出来ないから

全てを背負ってやることも

謝罪してなかったことにも出来ないから


いたたまれなくなることの

別のベクトルなのかも知れない



だとしたら

何て偽善でしょう



格好悪いったらありゃしない




だけど私も大人になりました



普段

そんなに人を怨むことなんて、ない


嫌な奴だなぁ、と思ったり

いなくなればいいのに、なんて考えても

別に呪ってやろうなんて思わない


傷付けられたなら、傷付けられた分噛み付いてやるだけ

別に殺そうなんて思わない


暴力なんて使わなくったって

相手を貶める方法のいくつか持ってます


私の体と心に付いた傷の数程度には



それよか私を怨む男にいつ後ろから刺されやしないかと

ま。それはそれでお楽しみですけれど



そっか

日常にはない「怨み」だから映画になってるのか・・・





いいや


毎日ニュースで流れてるじゃない

最近よく

小学生の登校班とかに車が突っ込む事故


まだ6歳や7歳の子供が

何の為か分からない死を迎えている


ああいう時なんだろう


人が本気で「呪ってやりたい」と思うのは


怨んでいるのは多分、本人じゃない


その親御さんだ


大切に産み育てた

そこで得られる幸福と

未来に対する期待

何より大切にしていたものを奪われた悲しみがあれば

怨んで当然


仇討制度施行すべき



ほら

やっぱり人は大切なものを傷付けられると怒るもの




ああ、そうか



私はさだこが自分を憐れんでいるように見えるのが納得いかないのだ



もしもそこに

蔑にされたしずこへの想いもあるなら・・・と

どこかで期待していたのだ



あの映画に母子の愛が描かれていたなら


もっと深く面白くなると思うんだけど、なぁ