小さな家族が出来た


子供を産んだ訳じゃ、ない


ペットを飼ったのだ



独身女がペットを飼いだしたら終わりだと

どこかで聞いた気もするが

仕方ない


うちの家族の為に

腐れ縁の男がプレゼントしたのだ

誕生日だという理由で



何を隠そう

私は無類の動物好き


子供の頃我が家はご近所から動物園と呼ばれていた



猫、うさぎ、ハムスター、モルモット、インコ、ジュウシマツ、カメ、イモリ、ヤモリ

それも1匹ではなく、たくさんいたことから

それを見る為に友達が学校帰りにうちを訪ねたりした


アパート住まいだった為

大きな動物は許されなかったが

ご近所の犬を散歩させてもらったりなど

勿論犬も大好きだ



実家を出てからは借り暮らしが続いたので

なかなかペットを飼う余裕はなかったし


それが許される環境になっても

たった一匹飼った可愛い黒猫を病気で亡くしてからは

何も飼えずに、いた





そんな私も

また家族も

動物大好きは変わりませんから


今回の

小さな家族の来訪に

大騒ぎ


早速用具を取り揃え

飼い方本まで買う始末


あちらはあちらで

突然運ばれた見知らぬ環境ですから

興奮して落ち着かず

この時間になってもまだ起きているのですが


起きている家族が入れ代わり立ち代わり現れては

ああした方が良い、こうした方が良いと

世話を焼きたがる


血は争えない





まだ

小さな籠の中にいる

新しい家族に言いたいことは山ほどある



こんな家族でごめんね

それから


だけど

愛情は無茶苦茶熱い


かなり

ウザイ飼い主かも知れないし


いつも騒々しくて

昼か夜かも分からない


私なんて

最終的におかずに困ったら食えるんじゃないかと画策しているし


君を肩に乗せて街を歩こうとしている者もいるよ






だけど

君をもう皆

愛し始めている




そういう家族なんだ








君の寿命は7年~10年と聞いた






どんな君の仲間より

騒々しく楽しい日常を約束する








私達の家族になってくれ








後悔はさせないから