前回書いたブログ記事に出たドラマに

やくしまるひろこさんがご出演なさっているのを思い出した


私は「女優」としての彼女がとても好きだった


若くして角川からデビューした女優さんは

その頃二人いた


男性はわりと、もうお一人の方がお好みのようだが

私は彼女が好きだった


何しろ演技が素晴らしい


稽古した芝居、というよりは

天性のものを感じさせる

彼女はまさに「選ばれた人」なのだ


野生の証明から始まって

彼女主演のものはほぽ映画館に観に行った


ねらわれた学園

セーラー服と機関銃

探偵物語

里見八犬伝

メイン・テーマ

Wの悲劇

これについては、あの劇中劇の台詞を今も覚えている

「私、おじい様を殺してしまった!!」というやつだ

その頃、角川は脚本も発売していたからだ


野蛮人のように

紳士同盟

病院へ行こう

きらきらひかる

この辺りでドラマの方に移行して

何故か彼女を追わなくなってしまった


その頃

トレンディードラマが流行していたのにも関わらず

あくまでも映画女優で居続けた彼女は

私の目にも高貴で特別な存在に映った




その当時彼女が歌った

数々の楽曲も

私のライヴ練習曲にはもってこいだった


あの透明感を生かし、長く発声するものが多く

表現力を必要とされる曲ばかりだったからだ



そんなことを考えていたら

仕事中「あなたを・もっと・知りたくて」を気持ち良く口ずさんで

「私、誰だか分かる?」というセリフのところで

同僚に「はい、分かります」と返事をされて

慌てて歌うのをやめる



その中で今でもよく思い出すのは

野蛮人のように

あのラストシーンと流れる曲は

今も私を捕えて離さない


ステキな恋の忘れ方


少し大人ぶった恋

相手のペースに巻き込まれ

思い通りにいかない


年上の男性に翻弄されるあの映画と歌詞は

まさにその時、同じような恋をしていた私を

納得させてくれた





あなたに聞いてみたいのは

ステキな恋の忘れ方


それとも愛はこの胸に刻まれたの?





恋の忘れ方を聞いているのに

愛が刻まれたとは


何とも矛盾している




劇中の彼女の役は若い作家だったと記憶している


文字に残すものには留め切れない




生身の愛が、そこにある





そんな感情で

傷だらけだった私には



よく、沁みた






邦画のスクリーンヒロインを挙げるなら


私は感謝を込めて真っ先に彼女の名前を語るだろう