Life,Words&Mind(ライナーノーツ前半) | KissKickHugHang

Life,Words&Mind(ライナーノーツ前半)

1.Hello,Darkness myself

 

このオケ録の時にベースのトニーの第一声

キミのグルーヴは素晴らしい!

っで鼻の穴が広がり悦に

 

ハローダークネスマイセルフというワードが

この頃の自分を言い得て妙

 

舌が上顎をかすめる「 L 」発音が好きなのと

気分転換に近所を散策していた時に

やたら綺麗に咲いていた花がライラックで

誕生季節の春の花だったことや

この曲を書いたのが5月なので

この単語を歌詞に使いたかった

 

アレンジはツイストやゴーゴーのような

昭和のおとーさんおかーさんが

懐かしさに涙するクラシックレトロ感を含みつつ

ワタシの好きなスカした軽さがあって

自分の体内グルーヴに合っている

 

「夢を見るのも楽じゃない」

この言葉がこの曲のすべてを物語ってます

 

この頃の孤独感や迷子感が

ポップな曲調とワード選びで

深刻に聴こえずに済んでいて好きな1曲

 

鬱々しい歌を鬱々しく唄うのが

似合うと思われがちですが

痛い 辛い 悲しい 苦しい 寂しい

そのナイーブな感情をポップに

天邪鬼に唄うのが最もぽいと思ってる

 

2・Nervous

 

この歌詞は 確かロスに行った時点では

完成させてなくて

オケ録りの時 仮歌も一緒に録るので

その時のために現地入りした当日の夜中

眠い目こすってホテルで書きました

 

男女間のよくある痴話喧嘩を

唄ってみております

 

ギュンギュンギターが入っておりますが

まくし立て感がこの曲には合っているので

ギターソロというものが好みではないけれど

許容できました

 

3・Erostic Girl

 

こーいう掴みどころのない曲を作るのは

この頃から得意中の得意

軽快なシャッフルビート

このアルバム通してワウギターが多用されて

いるのだけど ワウの浮遊感が

この頃の情緒に合っている

 

自分の性質である小難しさ 複雑さを

楽曲にも表現した方が こいつは

面白いというのを理解してもらいたくて

ひたすら選曲会にニッチでマニアックな曲を

落とされても落とされても

めげずにぶち込み続けた

 

確かこの曲を書きながら見ていたTVで

(BGVを流しながら曲を作る癖があった

今はTV自体ないのでやらないけれど)

刺激を求め スパングルなものに

傷つくとわかっていながらも

惹かれずにはいられない危うい

若者たちの(当時同年代)

街頭インタビューの映像があり

20代の恋愛事情を書きなさいと言われてたので

それについて書いたつもりでいたら

こーいう恋愛のことじゃないと言われた

でも ヘンテコで面白いということで

無事採用されて超嬉しかった曲

 

「ゆっくりと今を楽しめばいい」

この一言がこの歌の全て

 

4・Slow Bird

 

デモタイトルは「グライダー」

打ち合わせの待機中NO暇つぶしに

チョロチョロギター弾いてたら

メロがブワッと湧いて10分位で作った曲

 

Aメロの展開コードはP曰く

いい曲が書けるコード進行らしいが

その名前はよくわかってない

 

朗報としましては コードネームなんて

知らなくても良曲は書けるし

コードを知って入ればたくさん曲が書ける

というのはイコールしません(ワタシの場合)

 

センスは実力を超える時がある

と信じてやまない

 

紅葉の実が竹蜻蛉のような形をしてて

それがクルクルと螺旋を描きながら

落ちていく様が好きで 子供の頃グライダーと

勝手に呼んでいたその紅葉の実が

イカロスの姿と重なって

SLOW BIRDになりました

 

このアレンジはよく出来たアレンジだ

 

20年以上ぶりにアコースティックライブで

唄った映像がyoutubeに上がっているので

気になった方は視聴回数 回してください

 

元demoキーで演奏をお願いしていたのに

(アコースティックの場合は

楽器との熱量をあわせるために

元demoキーに戻して唄うことが多い)

しれっと原キーで演奏され 唄いながら

殺意を覚えたことをそのライブのMC

でチクった記憶があります

 

滑舌よく明るいトーンで唄うことを

ずっと言われていたので

想像通りのイメージで歌えず残念ですが

今でも大好きな1曲

 

5・Me and my Shadow

 

シングル曲

タカラ缶酎ハイのCMソングで知った

方が多いのでしょうか?

 

おじさんキラーソングと呼んでおり

プロモーションに行くと

当時40代位の男性陣がこぞって

この曲が好だというので そう命名

 

別れに対して追ったり縋ったり騒いだりせず

実際は千切っていく激しい痛みがあるのに

どこにも自分の存在 気配を残しさないで

風みたいに綺麗に去って

熱くもなく冷たくもない温度がある

そんな悟り歌を作りたかった22歳

 

これこれこんなことがあって

こんな想いがあったからこーした

みたいな歌詞の書き方は珍しいけれど

シングル曲に決まっていたので

濁らない(自分の悪い癖を出さない)

言葉選びを意識した思い出があります

 

出だしの

「見上げた空に幾千の星がかかる頃

短いあの夏が胸に蘇る

なぜ一番大切なものだけいつも失くすのだろう」

という言葉をノートに書いた絵面?

風景というか映像は今でもはっきり覚えてる 

 

なかなかな美メロです

自分からこんな出来のいい子が生まれたとは

信じがたい気もしますが間違いなく産みました

シングル用に書いたにしては

産みの苦しみはなかったので

無痛分娩といえます

「すばやく」「BLUE SKY」「キット」

このシングル3曲は人の息がかかっていたけれど

初めての自分100%シングル曲

 

6・Life,Words &Mind

 

王道ファンクロックアレンジ

 

エトセトラにも書きましたが

この歌録時高熱を出していて

スタジオのソファで震えながら待機

 

粉薬が飲めなくて マネージャーに

オブラートに包んでもらったのだけど

うまく飲み込めず 喉で溶け窒息しかける

 

ブースに椅子を用意してもらい

力を集約する一点が必要だったので

スタンドマイクを仮設してもらい

それにつかまりながら気合いで唄った

自分を昨日のことのように覚えています

 

歌う時に体調が良かった記憶がない

 

その頃の置かれた現状に

あたしゃ何も悪くない!というボヤキの深刻度を

ファンキーな曲調で誤魔化しています

Pに嫌味な歌詞だよね~と言われたが

怒りと悲しみが伝わってニンマリしました

 

サビに「~フィーバー」と入っているコーラス

実は 一箇所だけ「ビーバー」と言ってます

聴いてもわかんないくらい混ぜているので

聴き取ることは不可能と思いますが

そんな風にRecを楽しむ余裕があったなんて

胸熱案件です

 

(後半に続く・・・)