嵐が去った後のように

怖いくらい、
家の中は、
静かになった。


私は、
こうなってしまった現実を

受け止めようとしたけど

心は全然、
追い付かなかった。


少しの時間一人で過ごし
冷静になった旦那は、

私が座っていた
ソファーに来て
少し離れて座った。








「嘘だよ。」





「あいつと結婚していいからね」








ここで、私は、

はじめて号泣した。




それは、

彼と一緒になれるという
安心感からではなかった。




すべてを失ってしまう

旦那への申し訳なさ。


そして


私は旦那に

愛されていたんだということに
気づかされた瞬間だった。




この言葉が、旦那からの


"幸せになれ"という
気持ちだということは


私にはすぐにわかった



旦那は、そういう人だって


やっと思い出した。



涙がとまらなかった。




「正直、辛さで言ったら…
子どもと離れることより、
お前に裏切られた事の方が辛いよ」

「お前に限って、そんなこと
絶対にないと思ってた…」



そうだった。

旦那はいつも、
私を100%信じてくれていた。


だから、飲み会でもなんでも

いつも快く送り出してくれていた。







後悔した。



でも、旦那は


「俺を選んだって後悔するんだから」

そう言った。


そして、また彼に電話をかけて

旦那と、彼、
ふたりで会って話してくると

そう言って出掛けていった。