とっても、と~っても楽しみにしていた「メリーウィドウ」を観に、千代田区立内幸町ホールに行ってまいりました
新橋駅のSLの横を通り抜けると、日曜日と言う事もありサラリーマンの姿もなく、閑静なビル群の中に
ホールがありました。
席も188席で、こじんまりとしたとても綺麗なホールです。
前回の「神風」は、東京文化会館大ホールでしたので、キャストの皆様がかなり遠かったのですが、今回は表情もばっちり肉眼で楽しめそうだな~なんてワクワクしながら、席に座りました♪
音楽監督・演出 角 岳史
ヴァイオリン 升本理央
ピアノ 野間美希
ハンナ 里中トヨコ
ダニロ 大山大輔
カミーユ 武井基治
ヴァランシェンヌ 大塚幸子
ツェータ 女屋哲郎
カスカーダ 黒田大介
サン・ブリオッシュ 武田直之
ニェーグス 大日琳太郎
席について、ほっと一息つき、落ち着いて舞台を眺めてみますと・・・
ん・・・? あれ~?? 角さんはどこで指揮をするの~
舞台の左端にバーカウンターがあり、その奥にピアノとヴァイオリンはあるけれど・・・
舞台右手には、クラシックなソファーとテーブルが置かれています。
でも、指揮台はないぞ~?
どうやら、今回はマエストロは客席から舞台を見守っていたそうです。
あの華麗な指揮のお姿を楽しみにしていたので、ちょっと残念・・・
何はともあれ、舞台はスタートです~
この「メリーウィドウ」は、フランツ・レハール作曲のとても有名なオペレッタです♪
ウィンナワルツの調べにのせて、軽やかで小粋な男女の駆け引きを描いたお洒落な舞台に、身も心も惹きこまれました~
なんといっても、歌の合間のセリフが面白すぎます
言葉遊びあり、さらりと政治の風刺あり、はたまたオネエギャグや家政婦のミタさんネタ、そして世間の話題ネタあり・・・・・
あらゆる話題がちりばめられていて、私達観客を全く飽きさせません
「次は、何喋るんだろう・・・」と、セリフの度に、期待する自分がいたりして
マエストロの演出は、本当に凄い~
柔軟な発想と、あらゆる事象への見聞の深さに、心から尊敬してしまいます~
大山大輔さんと、大日琳太郎さん
神風の時に剃られていたお髭もだいぶ生えそろい、渋さ復活の大山さん
特攻服もいいけれど、やっぱり大山さんはタキシードが似合うな~・・なんてみとれてしまいました
最初、ダニロはかなり酔っぱらって登場します。
千鳥足で、へべれけ状態・・・でも美声を響かせて歌いあげられます
今回、客席が近い事もあり、大山さんの歌声が身体中に響き、沁みこんでいくような心地よさを味わいました~
そして、細胞が活性化していく快感・・
大山さんの歌声を聴いていると、何だか嫌な事や煩わしい事が全部ふっとぶんですよ。
そして、心から励まされて、元気が湧いてくるんです
皆さんに、大山さんの舞台を一度観ていただきたいな~
また観に行きたい・・って思われますよ、きっとね
話はメリーに戻ります☆
酔っぱらってソファーで寝てしまうのですが、そこへ大日さん扮するニェーグス登場
ダニロが寝ている隙に、色々やりたい放題です~
まずは、ダニロのクツを脱がせて臭いを嗅ぎ悶絶・・
今度は、寝ているダニロの鼻へクツを近づけると・・
気持ちよーく眠っていたダニロも、あまりの臭さに無意識にげほげほ咳こんでるし
テーブルの上にクツを置き、もう一足は縦にしてクツの中に入れて・・・
そして、突然自分は聖職者だと言い始め、白いハンケチをさっと広げ、やおら眠るダニロの顔にふわりとかけて、クツに向かって拝み始めます
大山ダニロ、そのうちいびきをかきはじめるのですが、時々いびきが止まってる~
も、もしや、無呼吸症候群かい!・・・と心の中でツッコミながら舞台に釘づけのあたし・・・
そりゃあ~もう、客席は、大爆笑ですよ~
何だか、寄席を観てるみたいだわ。
またある時は、大日さん、白い割烹着に、白い三角巾を着けて、はたきを持って登場ですよ~
家政婦のミタかい~って、思わず呟いてしまったわ
そして、言葉もしぐさも、おもいっきりオネエなんですよー
もう、大好き大日さん~ 面白すぎですぅ~
大山さんが書かれていた「亞空間の世界」って、この事だったのね!・・と納得しました~
もちろん、お笑いだけではありません。
皆様、いざ歌い始めると、歌声はもちろん極上ですよ~
ハンナの里中さんは、演技の時の「間」の取りかたが素晴らしく、ダニロへの溢れる想いを伝えられない
微妙な女心を、絶妙に演じていらっしゃいました。
歌声に説得力があり、思わず聴き入ってしまう魅力溢れる美声です
愛し合っているのに、自分の気持ちに素直になれないダニロとハンナ・・・
ワルツの曲に合わせて踊る二人の気持ちを想うと、切なくて胸がきゅんとしてしまいます。
最後は、お互い自分の気持ちを打ち明け、二人は抱き合います。
ダニロは、優しくハンナの髪を撫で、見つめ合い、愛おしそうに頬を撫で、そして目を瞑り静かに額と額を合わせながら愛を確かめ合うのです。
は~っと溜息がでるような、とても美しい場面でした
もう、うっとりよ~
カミーユの武井さんは、私のお友達から「素敵な方よ~」と聞いていたので、どんな方なのかしら・・と期待していました。
その言葉通り、本当に素敵でした~
ミュージカルにもご出演されているそうで、所作がとても洗練されていて美しいな・・と見とれてしまいました
そして、シリアス・コミカルの両方とも、演技力は抜群、歌声は伸びやかなテノールでとても爽やかです。
ヴァランシェンヌの大塚さんは、歌はもちろんの事、キャバレーマキシムのシーンのダンスが素晴らしくびっくりしたのですが、社交ダンスや、バレエ、ジャズダンスなど研鑽を積まれているそうです
武井さんと、大塚さんの2重唱は、ビジュアルも歌声もどちらも美しく、夢の世界のようでした
ツェータの女屋さんは、ちょっとおまぬけな、でも素敵なナイスミドルな大使で私達を魅了してくださいました~
舞台では、白髪の紳士でいらしたのですが、チラシではきりりとお若くて・・・
舞台は、老けメークだったのですね すっかり騙されました~
カスカーダの黒田さんと、サン・ブリオッシュの武田さんは、名コンビで会場を沸かせてくださいました
お二人が登場される度に、おかしくて、おかしくて・・・
演技も、表情もとてもこまかいんです。 こんなに表情を堪能できるのも、小劇場の醍醐味ですね
本当に魅力的なお二人でした~
カーテンコールでは、マエストロ・角さん登場です
千秋楽と言う事もあり、キャストの皆様もやりきった感溢れるにこやかな表情で、観客の拍手に応えてくださいました。
やっぱり、舞台に近いと、カーテンコールの時にキャストのみなさんがふと呟く声が聞こえたりするので、嬉しいです。
大山さん、こっち見てくれないかな~なんて思ってたら、あっ目が合ったー
・・・ような気がするのは、気のせいかしらね。
いいの、いいの、気のせいでもなんでもね~
「メリーウィドウ」では、本当に明るく、楽しそうに伸びやかに歌っていらした大山さん
本当に、素敵だな~って、今回あらためて感じました。
これからも、いっぱい応援していきま~す
今回は、ロビーでお見送りがありましたよん
その様子は、第2弾に続く・・・・