1試合目はベラルーシと対戦。グループリーグの中ではサムソノフが一番強く、カットマンもいるのでやりにくい相手だったが、水谷は戦い方が良かった。台から下がることなく、サービスを持って積極的に打ち、ミドルをうまく攻めた。ミスの少なさと攻撃の先手を取ることが多いからサムソノフに勝てた。
 3-1でベラルーシに勝って、水谷としては良いスタートが切れた。2番でカット打ちがうまいと言われる松平賢二が起用されて、初出場、初試合で2-0とリードして内容もよかった。ところが3ゲーム目から相手のペースになり、打つボールが抜けずに、ツッツキに対してミスが多くで始め、3,4ゲーム目を取られたものの、5ゲーム目からじっくり粘ることができたので勝つことができたが、危ない試合だった。3番の岸川は実力通り、3-0で勝ち、良いスタートを切った日本男子だった。

 2試合目は格下のポーランドが相手で、水谷が出場しなかったが、はっきりとしたことはわからないが、2試合目から出ないということに驚いた。岸川をエース使いして、丹羽と3番は吉村を起用。トップの丹羽は初戦にしては良い試合だった。2番で出た岸川は2-0でリードして、3,4ゲームを取られて、5ゲーム目を10-6から逆転負けした。そこは勝たなければいけない試合だった。2-0にすれば吉村もリラックスできたが、1-1で吉村にプレッシャーがかかった。初出場では重圧が大きい。ジュニアとシニアでは違う。相手も同じくらいのランキングだけど、相手の方が経験が多い。経験の差が出た試合だった。持っているものはいいけど、持っているものをうまく引き出せなかった。勝っても負けてもいい時には使えるけど、勝たなきゃいけない時には使えない選手。ランキングでも100位くらいの選手なので、安定感がない。これからもっと経験を積まないと難しいだろう。
 4番でまた岸川が登場して、絶対勝たなきゃいけない場面で、ミスが多く出た。もともと勝負強い選手だが、もっとフォアサイドにボールを集めた戦い方をしても良かった。1ゲーム目からの戦術が良くなく、点を取るのに苦しんだ。サービスも効かなかったので戦術転換をするべきだった。もっと長いサービスを混ぜるとか、ストップが多かったけど、長いツッツキを混ぜるべきで、あまりにも安全に行き過ぎた。もっと大胆な攻めをすべきで、そうなったのは1-2で回ってきたためだろう。

 残りのグループリーグを全部勝てば1位で通過できるのはわかっている。試合で負けたことよりも、敗戦が選手にどう影響しているかが気になる。マイナスのほうに気持ちがいけなければいいと思う。
 一日1試合なので、エースは使い続けるべきで、体力的にも大丈夫だろう。確実に試合の行方が決まってから休むのは理解できる。勝ち続けることが重要だが、今更言ってもしょうがない。残りの試合は万全を期して勝ちに行ってほしい。