若い人に、これから仕事を続けていくのに何が一番大切か? と聞かれることがあるのだけれど
これからは英語が大事だ、とか、学歴を付けろ、資格を取れ、 とか、人によって色々な意見があると思う。
でも、私が定年近くまで働いてきて思うのは、そりゃ語学力や学歴・資格も大事だけれど、最も大事なのは
性格
だと思う。
人は誰だって一癖二癖ある。しかし、性格に極端に悪い面がないことが大事だ。
ひどく短気 だったり、意固地 だったり、非常に打たれ弱かったり、天然の域を超えた間抜け だったり。
これらの一面は、持っている人は多いだろう。だがそれも程度問題だ。
このような性癖を持った人は、多くの場合、一つの職場に居続けることが難しい。転職を重ねるうちに、キャリアアップしていくことができればいいが、性格が問題で辞める人は年齢と共にキャリアダウンしていくことが多い。
他人が一緒に仕事をしにくい性格の人は、いくら語学力があって、超高学歴でも、どこにいってもはみ出し者になってしまうものだ。
それでも意地で一つの職にしがみつくことも可能だろうが、年月と共におもいがけない場所へと流されて、老人となる。
ああ、学生の時にそれを知っておきたかったな。語学力や資格なんて、むしろ表層的なものだったと。
もちろん、入社時に大卒でないと入れないとか、語学力を調べられることはあるだろうけど、入ってしまえば大事なのはやはり性格だね。あまりにも癖が強い人でないことが、平穏に定年まで勤めるのに一番求められることなのだと。
知り合いの若い男性(30歳ぐらいの日本人)で、こんな悩みを持つ人がいた。
彼はどこに行っても仕事が長続きしないのだそうだった。一ヶ月ぐらい前は、スーパー銭湯 でバイトをすると言っていたが、今日聞いたらもうとっくに辞めていた。
彼自身が自分を分析するに、彼はいつも余計な一言を口走ってしまう癖があり、そのせいで同僚に嫌われて居づらくなってしまう、とのことだった。
私もそういう一面があるので、彼の気持ちはよく分かる。そういう人間は自分が社長になるか、一人でできる仕事を選んでやればいいのではないか、とアドバイスした。しかし、その代わりに今彼がやっていることは、必要最小限の金額で暮らし、たまに他人様に奢ってもらったり、ネットで投げ銭してもらうという生活だった。
そういうのは良くないんじゃないの。コジキみたいよ
と率直に言うと(それをまた、私も言わんでもいいのだが)彼は個人攻撃された! と烈火のごとく怒った。
その時私は思った。彼の仕事が続かないのは、彼の口の悪さのせいではなく、打たれ弱さのせいだと。
ちょっとでも批判されたり、叱られたりすると、しゅーんとして、もういいや、と辞めてしまう。そこでぐっと堪えるということができないのだ。それじゃ続かないでしょうよ。普通に働いていれば、上司や同僚に批判されたり叱られたりなんて、しょっちゅう当たり前に起きることなんだもの。
そこで嫌な思いをしても、お給料は迷惑料みたいなもの。嫌な思いをするのを耐えるから、もらえるのがお給料だと思っておいてよい。
でも、彼は自分が嫌な思いをしたくない。そして、自分を理解できないのは相手の頭が悪いからだ、と言う。
はあ、そうですかい。。。
こういう人って、自己愛性人格障害っていうのかもしれない。私はこれまでの人生で、この人を含め4人、それらしき症状の人にあったことがある。尊大で万能感があり、他人を見下している。その影で実は、自分の正体を見破られないかと恐れている。
彼が怒ったのは、私が図星☆を突いたからだろう。
まぁ、もう二度と会わないであろう人だから、いいけどね
これから彼はどうなるか知らないけど、体にガタが来る50代になってから、駅地下のダンボールの家に住むことにならないことを祈る。
(今日のスウェーデン写真)
ストックホルム市内のレストラン Riche。
創業もうすぐ130年の老舗。