2 ギイside
「まったく言い出したら聞かないのはむかしからで そんなタクミが好きなんだけどさぁ」
と俺は一人取り残された部屋でぼやいた。
一分一秒でも多く愛する人と過ごしたい。
離れていた時間が長かったから尚のこと。
ぐだぐだに甘やかして 俺なしじゃ生きていけないくらいにしてやりたい。
でも タクミはやんわりとそれを拒絶する。
「・・・タクミも俺がなんでもしてやりたいと思うように 俺のことを面倒見たいんだろうけどさ」
そんなことはわかっている。
与えられてるだけじゃ満足できない愛を お互いが貫いてるなんて きっと世界中で俺たちだけなんじゃないかと自惚れてしまう。
タクミと出会った頃は こんな日々がくるなんて思えなかった。
「・・・幸せ、だなぁ」
シーツにくるまりながら タクミを愛したことは間違いじゃない、と満足したその瞬間
がたがたっ、という激しい音と『タクミさまっっ』と叫ぶJの声が聞こえて 俺は 慌ててベッドから飛び出した。
------不定期-----お世話になっているPYちゃんに捧げる物語