ブレンデルは、いつも友人たちに
演奏中の外面的な部分について
注意されていた。
(以下引用)

「演奏はなかなか良いけど、その厳しい表情や腕を宙に振り上げるしぐさのせいで(中略)集中できない。なんとかしろよ」
(中略)眼鏡が舞台の後ろのほうに飛んでいってしまったこともありました。
でも私はなにがおかしいのか、ぜんぜん理解できませんでした。
(中略)でも、そんなある日、私ははじめて自分が演奏している姿をテレビで見ました。
(中略)もの凄くショックでした。
(中略)私の場合は、自分の姿と弾いている音楽が完全に矛盾していました。
(中略)
音楽と一致した必要な動きというものを意識するようにしました。
残念ながら、耳よりも目で音楽を聴く人間が多いのは事実ですから。

(「さすらい人」ブレンデル  音楽之友社)

わたしはこの部分を読むのが
いつも、好きです。




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日曜のさるすべり