※長文
2年ぶりに福島に遠征行ってきました。
福島は6回目になります。
ただ、今回は「遠征童貞」の御大先輩と行ったので、経緯もちょっとしっかり書きます。
いつでも思い付いたら行っちゃうぜ!的なファンキーな釣りバカではなく、
妻子がいて、制約が強いサンデーアングラーの場合、という感じの記録です。
計画し始めたのは4月ころかと。
具体的な日程を計画し出したのが6月頭頃かな。
この通り、遠征の基本的な段取りは1ヶ月くらい前から本格化します。(東北程度の範囲なら)
まず最初にやるのが、何を狙うか、そのためにどこにいくのか。
そして、移動も含めてこの遠征に何日間回せるか、ということ。
ターゲットはいつものごとくスモールマウス。
止水のスモールではなく、川スモールがターゲットでござんす。
ラージであればプリを狙いたいところですが、僕はアフター回復のスモールが釣りたい。
速い強いタフ!大好きです。
ラージとは比較にならないパワー、スピード、ジャンプ、底なしの体力でフックを簡単に伸ばし、ベイトのドラグを簡単に突破する。
そんなアフタースモールが釣りたい。
もう一つ、八郎潟バサーからすると考えられないくらい速く複雑な流れ、そのあまりに違うフィールドでウエーディングして釣りをするという経験自体が尊く貴重、そして自分の経験や概念をぶち壊してくれるものだと僕は感じているので、先輩にもソレを感じて欲しい、という理由からこうなりました。
今回は実釣が1.1日くらい。(福島くらいの距離感だと理想は2〜3日)
ほぼ1day勝負。
遠征の1dayは本来ならNGです。
環境(フィールド)に適応するまで、1日以上必要なので、遠征は複数日用意した方が良い経験を踏めます。(即アジャストとかあり得ない)
川スモールの怖いところが、川であるが故に、水量や天候次第では、いとも簡単に釣り自体が不可能になること。
そして、天候がどうなるか全く不明、釣りができるのかすら予想つかない段階(1ヶ月前)で宿泊場所を確保しなければならないこと。
一度日帰りで行きましたが、絶対オススメしません。帰りの運転マジで危ない。
今回は、遠征初めての御大先輩と一緒。
先輩は体力的に1dayが限界だと言っていたので、計画としては実釣は1day+αくらいの短期間勝負。
八郎潟で言えば12時間×3日釣りし続けるくらいの体力が1dayで必要な釣りが陸っぱり川スモールです。
ということで、福島で1日ガッツリ釣りしたら、宮城県南まで北上してホテルに宿泊。
翌日の朝4時に起きれたらテキトーなところで2〜3時間釣りして帰路(宮城にもスモールいるからね)。というかなり易しい日程で組みました。
遠征1週間前に強めの雨が降る。
ここでちょっとやべーな、と思いつつ、水位が下がったので少し安心。
安心したのも束の間。。。
遠征2日前に大雨。。。。あの九州に大雨をもたらした前線が北上したためです。
福島の愛する友人たちが常に情報収集をしてくれてたんだけど、出発前夜に
「川は壊滅的。一部で氾濫してる」
と連絡が。。。
氾濫していないところでこんな感じ。
(2日前)
俺ら遠征組は、可否の判断ができません。
ローカル組の判断に任せます。
しかも、ウエーディング童貞の先輩が一緒なので、安全第一が大前提ということになります。
(みんな安全第一の人たちです)
ホントはこんな感じの川での釣りを先輩に楽しんでもらいたかった。(2年前の写真)
出発は5〜6日付変わるあたりの予定でしたが、5日の夕方の時点で、ギリギリ釣りができる水位まで下がりそうな気配でしたので、行くことを決定。
(なんだかんだでローカル組に何とかポジティブ要素を並べて欲しいと懇願)
ただし、順調に水が引いたとしてもベスト水位+1.2mくらいなので、とにかく安全第一。
地形把握できてるところしかウエーディングはしない、なんならなるべくウエーディングはしない。
絶対無理はしない。
ローカルの安全策に絶対従う。
釣果は二の次。
少しだけ仮眠して、日付が変わった深夜0:10出発。
4時に福島着。
待ち合わせ場所で再会を喜びながら、御大先輩を紹介する。
車窓から見える川は僕の知ってるアノ川じゃない笑。
氾濫した三種川より濁ってる笑
さて、御大先輩。
象とゴリラを足したようなゴツい先輩です。
御大先輩、、、、
3Lのウエーダーが入るのか入らないのかをみんなでドキドキしながら見守る。
一同ゲラゲラ笑いながら斜面を降りて川を目指します。
なかなかの濁流。
岸だったところが水の中ー笑
トップでボコボコにする気でいた僕らは、
「最初から最後までドリフト、きっちり転がしてあげればきっと釣れる!」
というローカルの発言で、若干ショボンとしましたが、「遠征は全てを受け入れて楽しむ!」と心に決めているので、安全第一で全力で楽しみます。
ローカルのなかにTくんとTくんがいるのですが、2人とも凄い高身長。(TT兄弟)
Tくんが膝くらいの水深だと、俺のモモ、先輩の腰くらいまで浸かるので足場を確認しながら少しずつゆっくり川の中を進みます。
とにかくドリフト。
俺は福島に通い始めてから本場のドリフトを知ったので、何気にドリフトが大好きです。
やるたびに感覚が明確になっていって自分で上達してるのが感じられるから(スタート地点低過ぎて、ね笑)
1箇所目のポイントで魚がいそうなスポットに僕と先輩で数十分粘るも釣れず。
「Tくん、ちょっとやってみてよ」
、、、
「はい、食った〜!」
、、、
1投で釣ってました。
予想していたことだけど、魚はいます。
僕らが食わせられないだけ。
どう?
コレが僕ら八郎バサーのレベルです。
「はい、そこに魚いますよ、投げてください」
と言われてもバイトすら得られない。
ローカルが投げると1投で釣れる。
コレって実はなかなか味わえないんです笑。
最初はショックだけど、自分の技術と経験の無さに絶望することで生まれる向上心。
コレが堪らなく欲しい。
コレは地元だけで釣りしててはなかなか味わえない。フィールド特性が逆のフィールドの凄腕ローカル達と釣りして初めて味わえる経験。
今ではこの屈辱と衝撃を味わうことが遠征の醍醐味の一つとなってます。笑
逆にフィールド特性が似てる霞ヶ浦北浦とかは遠征で真冬に行ってもわりと普通に釣れます。
感覚的に10〜11月の八郎くらいの難易度
いつだって何度でも言い切れるけど、八郎バサーのやり方は福島河川では絶対通用しない。
万が一もない。
絶対通用しない。
言い切れる。
ここで、僕は2バイト、コンコンですぐ吐き出したのが1バイト目、反転に乗せてフォール中に食ったのが2バイト目。
移動。
次のポイント。
先輩
「さっきより流れがシンプルだからか?少しだけドリフトで転がる感覚がわかってきた、これでバイトが出てくれたら感覚に自信が持てるんだけどね」
その1分後
「食ったー!」
スポーンと抜けた先輩。笑。南無。
「いいすね、その感覚で次もいきましょ!」
その5分後。
「また食った!フンっ!」
今度はバッチリフッキング、走る飛ぶ!
掛かり所見る限りバレはなさそう。
つまらない。。。。
ランディング時のジャンプとツッコミはやはりアフターの魚らしく激しい。
俺がランディングしてあげて無事初スモール!
もう一回言おう、ランディングしたのは
俺!
祝、ナイス初スモール!!!
いきなりこのサイズは幸運だと思う!
しかもこの濁流のコンディションで!!!!
俺が初スモール34cm釣るまで何年掛かったと思うんだ!!!!
先輩は震えていた。
年甲斐もなく、ガッツポーズをし、雄たけびを上げていた。
いいね、何歳になっても感動できる趣味ってなかなか無いと思います。
さて、スモール童貞が初体験したところで、
スモール経験者の僕は当然先輩にこんな言葉を掛ける。
よかったすね!
これでやっと俺も本気を出せますよ。
と経験者らしいそれっぽい言葉を掛けつつ、
先輩が釣れたワームをマネし、
色も近い色をマネし、
ネイルシンカーも同じ重さのものに
変えたことは言うまでもない。
その後ガクガク震えながら釣りをしていたが、絶望視されている状況の中、童貞に先を越されたからではないはずだ、きっと。
震える、で言えば7月とは思えない低気温(19℃)になぜか僕らの上にだけ降る雨(降らない予報だし、現地のリアルタイムの予報でも降っていないことになっていた。)のせいで酷く寒い。
雨が降らない予報だったので、ローカル組はレインを持っていない。
だが釣りたい。
ローカル2人が変なことしてたw
ビニール袋カッパ
そして俺も淡々と釣りをする。
考えながら釣りをする。
過去5回の経験を無駄にしないように。
釣れなかったとしても意義のある6回目の福島になるように。
過去の復習と考察を繰り返しながらキャストし続ける。
「ここにいそうだな」
って思ったところに、未投入のアプローチで入れる。
シェイクしながら流れに乗せ、ヨレに入れる。
それからネチっこくシェイク入れたら食いました。
モソリモソリと違和感が出たのでスイープにゆっくりと力強くフッキングを入れる。
スピニングなのでドラグを調整しながら、怒らせないように
等距離を維持しながら魚の体力を奪う。
すごいね、1m近くジャンプすんだもん。
飛んだ時にガッチリ掛かってるのが見えたので、
バレよりも周辺の大岩に擦られないように気を付けてランディング。
2分くらいかな?
落ち着いてできました。
ちょっとスキニーだけど、良しとしましょう!
イェイ!!
ここでタイムアップ。
欲を言えば、もっと暴力的なファイトを楽しみたかった笑
いや、怒らせないように慎重に扱ったからあの程度で済んだんだけど、もっと制御できないような駄々っ子的なところもみたかったw
まあそのへんはやりとりが成長している証として受け取ります笑
まったく焦らず楽に大胆にいけました。
走らせる、止めるのタイミングが取りやすい個体でした。
次は、オープンウォーターでトレブル伸ばされるようなファイトがしたいw
今回は5人での釣行。
マジでワイワイガヤガヤw
悲観でもなんでもないけど、僕は運がない。
遠征で良い状況に当たったことはほぼないと思う。
GWに雪を降らせたこともある。
その点はもう諦めてる。
全く逆の人もいるじゃん?なぜか半端じゃない強運持ってる人。
釣り人が一番欲しいやつ。
運はない、けど熱意は負けないし、逆境であればあるほど燃える。
悲観はしない。
運が無いと嘆くより、そんな状況を楽しめる釣り人になりたいと強く思ってる。
ただ遠征に関しては、自分たちの判断では安全の基準が曖昧だし、その逆境を跳ね返す策も技術も俺は無い。
だから、こうやって現地のローカルがサポートしてくれることがホントに助かるし、嬉しい。
特に今回のような増水時は安全に出来ること、が何より大事になるので、ローカル無しでは断念してた。
今回も自分の力で釣れたなんて少しも思ってないし、みんなが釣らせてくれたと思ってます。
みんながいたから楽しめた、本音を言えばみんなと釣りすることが一番の目的で、釣果はオマケみたいなもんだった、素敵なオマケまで与えてくれてありがとう!
その後、宮城まで北上し、角田市に宿泊。
普段全く酒を飲まない先輩が、飲むとかいい出すもんだから相当気が高ぶってたんだろう。
翌日は7時まで寝て、結局釣りはせずに帰宅しました。
「ホント、気持ちの良い人達と巡り会えた。お前が通う理由が分かる」
うんうん。
川スモールを釣りたい、この欲求が発端となった福島遠征も回を重ねるごとに、「ローカルのみんなに会いたい」って欲求の方が強くなってる気がする。
これからもみんなに会いに福島に通うだろう!
みんなありがとう!