ベアトリス:わーい! かぼちゃだ、かぼちゃだ! 毎年ハロウィーンには、セバスチャンおじさんが、かぼちゃのスイーツを作ってくれるの! 今年はなんのおやつかなあ。
セバスチャン:「奥様が、『アタクシ、かぼちゃプリンが食べたい感じがするわ』とおっしゃっていたから、このかぼちゃでプリンを作る予定だよ、ベアトリス」
ベアトリス:かぼちゃパイもいいけど、おじさんのプリンも大好き!
ベアトリス、来ていたのね。アタクシも、カボものが大好きなのよ。
よろしくね、セバスチャン。
セバスチャン:「かしこまりました、奥様」
そういえば、Halloweenって、死者の霊や妖精が地面から出て来る日、とも言われているのよねえ……
ベアトリス:ひいいっ、コワいこと言わないでください! レディー・ミッチェル!!
・・・
……虫の音が響く、ある墓地で。
ズボッ
ズルズル……
・・・
あら?
今、窓の外から、何か聞こえなかったかしら?
あけてよう、ここをあけて…
ベアトリス:ひいいっ、ヘンなこと言わないでください! レディー・ミッチェル!!
あけてえ、お願いだから、ここをあけて…
セバスチャン:「お待たせ致しました、かぼちゃプリンでございます。……おや、CDが止まってしまったようですね」
セバスチャン、CDを入れ替えて音楽をかける。
セバスチャン:「本日のバックミュージックは、グレゴリオ聖歌でございます」
Stabat Mater dolorosa
Iuxta crucem lacrimosa,
Dum pendebat Filius.
ひいい…くるしいい…耳が、耳が……
あら、素敵な曲ねえ。
かぼちゃプリンも美味しくってよ。
みなさんも、楽しいハロウィーンをお過ごしになってね。
ごきげんよう