日本では、マーキングは絶対止めさせるべしという風潮が強いですよね。
そして、その理由についても「マーキングをさせると
縄張を主張して犬が自分をリーダーだと思うようになる」と
ちょっと勘違いされてると思います。

お外でのマーキングは、実は異性の犬へのアピールを主な目的とした
犬達のコミュニケーションなんです。
お散歩中に他の犬のマーキング(排尿跡)を匂いを嗅いだりしますよね。
それによって『この辺りは、こういう犬がいるんだ』という情報を得ているんです。
そして自分もマーキングで匂いを残すことによって
他の犬に情報を与えているんです。

マーキングを頻繁にするのはオス犬が多いのは
先に書いた異性の犬へのアピールが目的だからです。
『オレ、どう?カッコイイでしょ。』というアピールです。
そしてメス犬もヒートが近くなるとオス犬のマーキングの匂いを嗅いで
自分も、そこにマーキングをするようになります。
これも『あら、このオス、なかなかカッコ良さそう。
私、そろそろヒートなのよー』っていうアピールなんです。(笑)

もちろん人様の家の前などはNGですが
他人に迷惑がかからないような場所でなら
多少のマーキングは犬同士のコミュニケーションとして許してあげるべきです。
それによって犬がリーダーと勘違いしたりする事はないですから。


お外でのマーキングと違って
即、対処しなくてはいけないのが室内でのマーキングです。
室内マーキングは、外でのマーキングとは全く意味が異なります。
こちらは、精神的不安定さと極度のストレスから来る行動です。
飼い主さんがリーダーシップを発揮出来ていなかったり
自分がリーダーだと勘違いしている犬は非常に精神的に不安定です。
自分の家を守らなくては、というストレスから
『ここはオレの縄張だぞ!』と家中に自分の匂いをつけて歩くという
行動に出てしまうんです。
つまり室内マーキングこそが縄張の主張です。

分離不安の傾向のある犬が飼い主の外出中に
粗相をするのは、このためです。
決して嫌がらせではないんですよ~。
犬からすると自分の部下が勝手に出掛けてしまって
いわば丸腰状態になってしまった不安から
とにかく自分の匂いをあちこちにつけることで安心したいんです。


一口にマーキングといっても外か室内かで、こんなにも意味が違うんです。