ブログで知り合い恋に落ちた。
・・・・姿どころか、声すら聞いたことのない相手とだ。
絶対に会うことはなかった。
互いに既婚者だからだ。
・・・・お互い「出会い」を求めていたわけじゃやない。
だから、会うことはなかった。・・・・そういう話題すら避けていた。
お互いに気持ちを伝えるようなことはしなかった。
会話は文字だけ。
メールだけ。
もちろんラインの交換なんかもありはしない。
趣味の話の行ったり来たり。
決して、心を打ち明けることはなかった。
互いに、
会えば、火傷では済まないとわかっていたから。
・・・・ところが、
そこに「東日本大震災」が起こる。
音信不通の時間がやってくる。
ニュースからは津波の映像が流され続けた。
未曽有の大災害だった。
「音信不通」
死を感じた。
彼女だけじゃなかった。
仕事でお世話になってる方々も東北にいた。
連絡のつかない人々がいた。
1日の音信不通・・・・3日・・・・1週間・・・・2週間・・・
彼女は消えてしまった。
ボクは半狂乱になった。
メールを打ち続けた。
「心配しています」
「生きていてください・・・・」
1か月近くの音信不通。
「好きなんだ!!」
絶叫していた。
泣き崩れるほどに絶叫していた。
会えないんだと思った。
「もう会えない」
今後の人生で、もう、二度と会えない。
これまでは、
「会わない」
自分の意思で律してきた。
・・・・・しかし、
自分の意思ではないところで、運命は決まっていってしまった。
人生とは、そういうものだ。
自分の意思ではない、
人間には、どうすることもできない、
抗うことすらできない、巨大な波に翻弄される。
彼女の無事を祈った。
毎日祈って・・・本当に泣いた。本当に絶叫した。
不意に繋がる。
彼女は避難所にいた。
電気はない。
だから、携帯も繋がらなかった。
告白した。
会った。
身体をひとつにした。・・・溶け合ってしまった・・・
泣いて、泣きながら、一緒にいたいと互いの気持ちをぶつけた。
初めて会ったのが4月。
「桜を見よう」
今度は、手を繋いで桜を見よう。
そう決めて別れた。
・・・・そこから、次の日程が決まらなかった。
・・・・桜が散ってしまう・・・
・・・・わかっていた。
「一緒にいたい・・・」
泣きながら互いの気持ちをぶつけた。
・・・・しかし、
そこに「劇場効果」があるのはわかっていた。
「東日本大震災」
未曽有の大災害。
常に地面は揺れ続けていた・・・・原発が爆発して、放射能の危険もあった。
みんなが、救いを求めていた。
何かにすがりたかった。
そんな「劇場効果」が生んだ産物じゃないのか・・・
ボクの気持ちは変わらない。
しかし、
彼女の「一緒にいたい」
それは、劇場効果に酔っての産物ではないか。
ボクが東京に帰り、
日常を取り戻していく日々の中、
会ったことを・・・・愛し合ったことを後悔してるんじゃないか・・・・
だから、
次の約束をしてくれないんじゃないか・・・・
非モテ系。
恋愛経験すら満足にないボクは、
彼女を想って身悶えていたんだった。
溜息の日々を過ごしていたんだった・・・・
彼女は、
また、会ってくれるんだろうか・・・
アルファポリス。
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