父を憎んだ。

 

 

酒乱。クズ野郎。ゴミ・・・クソ野郎・・・

 

 

ありとあらゆる罵詈雑言で罵った。

 

 

母が嫌いだった。

 

ただ、右往左往するだけの母が嫌いだった。

 

運命を、ただ受け入れてオロオロするだけの母が嫌いだった。

 

 

学校が嫌いだった。

 

 

ただ、虐められるだけの学校。

 

 

小学校、中学校、・・・そして、高校。

 

 

全てが、大嫌いだった。

 

 

「大嫌い」

 

 

そんな綺麗な言葉じゃなかった。

 

 

「嫌悪」

 

 

火をつけて燃やしてしまいたいほどに嫌悪した。憎んだ。

 

 

 

世の中全てを嫌って、憎んで生きてきた。

 

 

睨みつけ、

 

唾を吐いて生きてきた。

 

 

 

・・・・そうしなければ生きてこれなかった。

 

 

「憎悪」

 

「嫌悪」

 

 

あらゆる後ろ向きの感情を溜め込んでいた・・・・それを「真っ黒なヘドロ」と表現した・・・・

 

 

 

・・・しかし、

 

生きる糧。

 

暗い炎を燃やすための燃料だった。

 

生きるエネルギーだったんだった・・・・・

 

 

 

・・・・それで、

 

なんとか生き延びた。

 

 

守のように、手首を切らずに済んだんだ・・・・

 

 

 

テラーノベル。

 

 

「父を愛した」父を憎んだ。

 

 

更新しました。

 

 

最終話です。

 

 

終わりました。

 

 

よろしくお願いします。