「京子どうだった?」

一瞬何のことかわからず、キョーコは首をかしげた。
その態度を見てさわやかな笑顔で拓斗が同じように首をかしげ一瞬見つめあった後、ニヤっと笑った。


「敦賀君に・・頼めたか?」
キョーコは少し驚いたような表情をしながら大きく頷いた。


「あ、はい・・期間限定ですが・・その・・・昨日から2週間ほどお付き合いしていただけることになりました」
嬉しそうに報告するキョーコを見て拓斗は再びニヤリと笑い そうだろう?敦賀君が断るわけないんだよ とその顔が語っていた。




蓮の控室を訪ねた日の深夜


「どうだね?・・・・最上君とはうまくやっていけそうか?」

社長室に呼ばれて、拓斗はその部屋に入った。
戦国武将の出で立ちで、刀を杖の代わりにしてソファーの横に立ちながら、鎧はうまく座れないので、お前は適当に座ってくれと言われ立ったままウロウロしている社長を気にしながらも、拓斗はソファーに腰を掛けた。


「お前の評判は・・良すぎて気味が悪い・・」
ニヤニヤと笑いながら社長がそんな冗談をよこした。


「そうですか?・・それはよかったです」
真顔で返事をすると、しばらく沈黙した後に2人は大きな声で笑った。


「・・まったく・・あっという間に社内を調べおって、最後に教えてくださいと言いにきた言葉が、『敦賀君と京子はどういう関係か・・・』だったか?まったく・・・・手際が良すぎて困ったもんだ・・」
マネージャーをする上で重要ですから、と言って拓斗は自信満々に笑顔を振りまき、軽く腕を組んだ。
その大げさなリアクションに社長は楽しそうに声をあげて笑った。


「・・それで、実際のところ社長はあの2人をどう思っているんですか?」
その問いには直接答えず、代わりに持っている情報を小出しする。


「ちょうど昨日、社にそれとなく聞いてみたんだが、お前と最上君が仲良くしているのを何度も見かけて、うちの稼ぎ頭は元気がないって話だ・・・・」
拓斗は軽く眉をあげて、小刻みにうなずくと少し考えごとをするように視線を天井に向けた


「なるほど・・・・では、そこを含めてキョーコの演技の幅も伸ばして・・・というのを提案しますが、ご協力いただけますか?」
その言葉に社長はため息をつく、断る理由が見つかるわけでもなくむしろ願ったり叶ったりの申し出だ。


「まったく・・そう、手際よくなんでも進められると楽しめないだろう・・?・・ま、好きにしてみろ、できる限り協力はしてやる・・・・できれば最上君をラブミー部から卒業させてもらえるとありがたいんだがな~」
半ば独り言のように社長が言うと拓斗は わかりました といって部屋を後にした。


そんなやり取りがあったことも知らず、社を含め当の2人はまだまだ振り回されるのであった。



おしまい


え!こんなところで終わりぃぃいい!!。
敏腕マネージャのお話でした~

続きが書きたい方がもし、いらっしゃたら・・ぜひぜひどうぞ~