バックシームはストッキングの後ろにある縫い目のこと。縫製技術が現在のほど進んでいない頃はあって当たり前だった縫い目は、今はおしゃれ、セクシーといった別の価値をストッキングにもたらしてくれています。以前こちらのブログ記事でも、アツギのアスティーグ「凛」(バックシームストッキング)を取り上げました。この記事はアクセス数が常にトップ5に入るくらい読んでいただいています。みなさん、やはりバックシームが気になるようです。

黒バックシーム

前回取り上げたバックシームストッキングはグレーのカラーで、上品な印象でした。今回は、女性の脚をよりセクシーに魅せる黒のバックシームストッキングを取り上げたいと思います。メーカーはよくわかりませんが(アマゾンで500円で購入)、非常に透明感のあるストッキングです。モデルさんの色白の脚が均一に透け、綺麗な陰影を作っています。

黒バックシーム 黒バックシーム

このストッキングは交編タイプですが、 編み目は繊細です。適度なフィット感があり、肌にしっとりと馴染みます。デニールは(推定w)15デニール。薄手の生地なので、高級な印象があります。とても500円のストッキングには見えません。

黒バックシーム

肝心のバックシームはどうでしょうか? 透明感の高い生地は、バックシームをしっかりとした縦のラインとして描き、脚をすっきりと魅せてくれます。正面から見るのと違って、バックシームのある後ろ側はかなり自己主張の強いストッキングになっています。このストッキングを履くと、後ろに立つ人からはバックシームが目に飛び込んできます。まず、脚が視線を釘付けにするでしょう。バックシームの入ったスト立ち姿は、凛としてかなりおしゃれです。ぜひ、バックシームが長く美しく見えるように、丈の短いスカートに合わせていただければと思います。

黒バックシーム 黒バックシーム

つま先は補強ありで、しっかりとした作りです。切り替え部分はほぼ足の指を覆うくらいで、比較的大きめです。切り替えのラインは足の指のラインに合わせて緩やかな弧を描き、とても美しいです。個人的に好きなラインです。このあたりまできっちり作り込まれているのは、メーカー不明ですちゃんとした会社の製品だと思います。

黒バックシーム 黒バックシーム 黒バックシーム

バックシームは足裏、かかと部分まできれいに入っています。足裏のつま先切り替え部分はオモテ側と比べると足指に沿った弧ラインではなく直線的で、バックシームとのしっかり縫い合わされています。相合傘みたいでかわいいですね(笑)。

黒バックシーム 黒バックシーム

足先から太ももまでしっかりと通ったバックシームは、ストッキングに表情を与えます。場合によっては色気かもしれませんし、また何か意志のようなものかもしれません。表情を作るといった意味では網タイツなどの柄ストッキングも同じですが、バックシームストッキングはたった2本のシンプルなライン。TPOによって表情が変えます。黒バックシームストッキングは懐の深いです。

黒バックシーム