母の言葉がでなくなりまして。その2

昨晩撮ったCTでも特に異常は認められなかったそうだ。


昼頃、母親からメールが来た。
母「一週間入院だってよ」
私「そうみたいだね、昨日の時点で言われてたよー。
  ウチにメール送ったってことは、ウチの名前は思い出したんだね!」
母「そうやね」

ココまでは普通のメール内容、次から少し怪しい

(何の前ぶれもなく)
母「前入院のときに!!アラームなったやん!」
母「ケータイの受信機もってきて~」
私「えーゆー?」
母「ごめん、携帯の充電器持ってきて~」

…以下略。


同じ頃、昼頃、兄が母に会った。
缶コーヒーを上げると温かいと喜んだそうだ。
クチの乾き、寒気を訴えたそうだ。
終始寒いといい、缶コーヒーを抱いていた。

兄自身の名前までは聞かなかったそうだが、
兄の子供たちの名前などは写真から答えられたそうだ。
特に問題なく、受け答えも出来ると聞いて
少し不安なメール内容だったけれども、ひとまずは安堵した。


夜、母親に会いに行く。
ベッドの上には昨日自分が持っていったライトダウンジャケットと
兄が渡したであろう缶コーヒーが置かれていた。

病室で遠くから見かけると、外をみてぼーっとしている。
私「ウチの名前わかるんー?」
母「○○○やんな・・・・・・・・・・・えっ?!」
私「えっ!?あってるよ?」
母「う、うん。」
すこしまだ意識が混濁?しているようだった。

しかしそれ以外は普通に会話できたが、
母親が耳打ちしたそうにしていたので
耳を寄せると、不思議な事を言ってきた。

母「どんな小さな動きでも分かるセンサーってあるん?」

何を言っているのか分からなかった。

細かいことは割愛するが、
まとめると、どうやら母親は缶コーヒーを
「自分を監視するセンサー」だと思っているようだった。

それは髪の毛が揺れるほどの空気の動きでも反応し、
歩く足音やカーテンを引く空気の循環ですら反応し、音がなる。
それも50mも離れたナースステーションに聞こえるほどの音だという。
音自体はやさしくい音だそうだが、とにかく鳴ると大変なことになるらしい。

一応確認の為に、そのベッドに転がってる黒い丸いのと聞くと
肯定する。
アルミのもので、「貰ったときは何でこんなもの!?」と思ってヒヤヒヤしたそうだ。

早急に調べて欲しいといって、
それ(センサー?)に対抗するために、なぜかケータイの充電器が必要だとか。
充電器を渡してやると、センサーに対抗するという機能はすっかり忘れていらっしゃるようだったが。。。

本当に信じるから、といっても
特に耳についたのが下の二つの言葉。

「絶対」 「信じて」


どんなに「信じている」と言っても信用してくれなくて
少し沈黙が続くと「絶対だから!信じて!」と言ってくる。
そして、触らせようとしない。

「自分が夢うつつなのかもしれないけれど」とは言うけれど、
とにかく信じてくれない。
(缶コーヒーを)家にもって帰って調べるね、と言っても
「本当だから!絶対!信じてよ!!」というだけだった。


センサーのせいで動いてはいけないと思っているからか、
純粋にボーッとしているのかわからないが、
意識レベルはすぐに下がる気がする。
そして何かよくわからないものに執着する。
例えば床のゴミとか、濡れてもいないのに濡れているといった膝裏だとか。。。

膝裏が気になるようで、病院着の前あわせをはだけさせ、
下着が見えるのも構わず膝裏を引っかく。
普段の母は下着を人に見せるような振る舞いをするような人ではなかった。

コップに入った温かいお茶をあげると、こぼれるといっても聞かずに
傾けてこぼし、病院着を濡らしたりもした。
濡らしてもセンサーがあるので動けず、
立ちすくんだままボーっとしている。
まるでどうしていいか分からない様子だった。


このように、明らかに以前の母ではなく、おかしい部分がある。

しかし検査場は正常で、今のところ異常も見当たらないし悪化もないので
MRIなどを撮る予定は無いそうだ。

このままの状態で1週間が過ぎ、家に帰ってくることを考えると
とても不安になる。。。

妹曰く、認知症は急にはならないようなので一過性のものだと考えられるといったので
明日良くなっていることを臨む><

またしばらくは朝とも夜ともなく病院に通い、一人暮らしの生活を送る。
そして来週には試験が・・・ある・・・という・・・。



生きろ、自分~~~~~(>_<)ノ