過去問分析表の入手と活用 | 学習メモ。

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長男(開成→東大理1[2016現役・専願]→東大大学院情報理工学系研究科→大手外資系IT企業)、長女(桜蔭→東大文1[2020現役・専願・TLP仏語]→東大大学院人文社会系研究科)の生活,中学・大学受験。暗記はAnkiが9割。リスニングは英語アニメが10割。

  夏休みも終わり,中学受験の6年生にとっては,本格的に過去問演習シーズンが到来した。
  1年度分ずつ解いては,一喜一憂している様子の記事を目にする。

  しかし,入試の過去問は,その性質上,分析データが十分ではない
  模試であれば,小問ごとの受験生正答率が公開されるので,それを頼りに,とれるべき問題を落としたのか,難しい問題を解いて差をつけたのか,といった判断ができる。
  それに対し,入試過去問の場合は,公表されているのは,せいぜい合格者最低点・平均点・受験者平均点程度である。それすら公表していない学校も少なくない。

 

  そこでおすすめしたいのが,過去問分析表である。最低限,問題ごとの難易度が記載されており,ものによっては多少のコメントなどが付されている。

  • 自分の弱点を把握することができ,効果的な復習の目安となる。
  • 過去問を解いた結果の得点だけで一喜一憂し,とれなかった問題について振り返ろうとしないような,この時期の受験生にありがちな幼稚な態度から脱却するのに役立てることができる。
  • 算数が苦手なお子さんなら,難問については見切りをつけて復習対象から除外する,などの学習効率化にも役立てることができる。

  肝心の入手方法は,以下の通りである。おすすめ順である。分析表の作成主体により難易度認定が異なるが,あくまで一つの意見として参考にすればよい。

 

1.森上教育研究所・親のスキル研究会

 

  私が最も信頼し,おすすめするのがこちらの過去問分析表である。
  首都圏有力10校(筑駒・開成・麻布・武蔵・駒場東邦・栄光・桜蔭・女子学院・雙葉・フェリス)について販売されている。難易度表示だけでなく,コメントも充実していて面白い

2.各塾の学校別対策コース

 

  お通いの学校別対策コースで志望校の過去問分析表が配布されるならばそれを使えばよいだろう。
  長男が開成中を受験した際には,NN開成が入会説明会で配布した過去問分析表を主として使用した。

 

3.入試問題研究所(閉鎖)

 

  入試問題研究所は,多数の学校について,算数の過去問分析表を販売している。大問別に単元名・テーマと難易度を表示している。


  1,2では分析表が入手できない学校,とくに併願校について,算数過去問を解いたあとの復習に参考にするのに有用である。渋幕や豊島岡など,第2回入試もフォローされている
【追記】所長の村松氏が2019年8月に逝去したため,利用できなくなった。

 

4.その他〜サピックス理科単元別推奨問題一覧

 

  入手経路が限定されるが,一応触れておく。

  サピックスが6年生の夏期講習で有名中学入試問題集を課題とする際に,一緒に理科単元別推奨問題一覧が配布される場合が多い(校舎による。なお,内部生には配布する校舎であっても,外部生に有名中学入試問題集を販売する際には添付してくれない)。


  有名中学入試問題集のなかで推奨する理科の問題がリストアップされ,それについてA〜Eの難易度表示がある。
ただし,サピックス生であっても,最新年度有名中の入試問題についてしか入手できないのが難点である。
私自身は,平成21年度〜25年度の推奨問題一覧を保有している。平成26年度以降のものを譲って下さる方いたらメッセージでご連絡ください。