金曜の夜に、いくらなんでももうお終いにしようとPCの前に座っていたらメールが届いた。メール自身は夜間でも届くことはある。(週末はほぼないので助かっている。気持ちの問題)

 

「クライアントからクレームがついたので、すぐに目を通してどう思うか教えてください」。

 

先にメール本文内にあった「クレーム」にざっと目を通したら、とにかく「翻訳調」、「翻訳が酷い」、「ちょっと何言ってるのかわからない」、「答えられない・答えるのに苦しむ」と。

 

ひええええ?!とファイルを開いたら、見たことがないプロジェクト・・・? そこの会社の仕事は直しを頼まれることが多くて、うぬぼれっぽく聞こえたらごめんだけど、私の料金は割と高いので、新人じゃないけどあまり経験のない(口うるさくない)翻訳者を雇っておいて、最終チェックだけカナコにやらせといたらいいか、ということではないかと私は思っている。最近、2年ぶりに仕事を頼まれたひとにも「直し」のはずなのにその範疇を超えた仕事を振られるので、私の中では取引停止にしておいた。

 

ちなみに、私の場合、チェックの仕事は翻訳の1/3くらいの価格設定。

 

自分が訳した訳ではないにしても、その文章自体見覚えがなかったし、内容はきれいさっぱり忘れていても、自分の作品って見たらわかるんですよ。小さい時に別れた子どもと10年後に再会してもピンと来るように・・・。

 

いま、ホントに時間に余裕ないし、普通、目を通して気づきを書き出して意見を伝えるのってタダだし、そこはポータルで仕事を進める会社だからヒューマンタッチみたいなのゼロ。質問や不備があって問い合わせても締め切り後まで返事来なかったり。ぜんぜん返事来なかったり。絆みたいなものはナイ。っていうか、その担当者シラナイ。

 

仕方がないので、「すみません、お手伝いできません」とだけ返事しておいた。

 

以前から書いてるけど、市場調査の仕事って、謝礼を出してでもアンケートに答えてもらってるし、答えて欲しいんですよね? 私も業界の端くれに長年いて、アンケート1本打つのにどれくらいお金がかかるか、想像はつく(特に翻訳しなくちゃいけないときね)。

 

なのに翻訳の料金をケチってしまったら、アンケートの意味がなくなる・無効化しちゃうから丸損ですよね。やり直しもできないし☆

 

ちなみに、そこの会社のアンケート案件、去年から10回くらいはやっているけれど、私のかかわった案件にはクレームついていないことが確認できた。

 

コツはね、「間違ってない翻訳」を目指すんじゃなくて、「答えやすい翻訳」じゃないとダメなんだと思う。みなさん、行間から「ボクは(私は)間違ってない」って聞こえるようなヘナチョコな作品を出してくる・・・。日本語能力が低いのか、ヒトの心理がわかってないのかな・・・? 一歩踏み込んでも、一歩逸れてもいいから、答えられる訳にしなくちゃダメだと思う。

 

それを日本語を知らない翻訳会社のエージェントに説明しようと思ったら小一時間はかかるし(例を挙げてバックトランスレーションで説明したり、時間がかかるよ)、逃げさせていただきました。