「糖尿病警察」という言葉をご存知でしょうか。


糖尿病になると、家族が必要以上に厳しくなり過ぎて、糖尿病を悪化させるであろう事に敏感になり、取り締まりを厳しくしすぎ、患者さん本人の心理的負担になってしまう事を糖尿病警察と言います。



これは、よくある事。
家族を心配するあまり、「成人病になるなんて!きーっ!!」となり「あれダメ!これダメ!」というのはよくあるケース。
背景心理はいろいろあるんだろうけど、これは本人のためにはならない。

本人の意思をまるっと無視して、いろんな事を禁止する。
これは症状の改善には繋がりません。
家族が間違った知識でいろんな事を取り締まっている事もあるし、心理的なストレスはむしろ症状悪化に繋がります。


この、○○警察化は、糖尿病に限った話ではありません。


今日、それと似たようなケースがありました。
糖尿病ではなく、痛風でしたが。
家族が痛風で尿酸値がなかなか下がらないので、プリン体を多く含むモノを全て排除せんばかりの勢いで、プリン体を多く含む食品は何か?という相談を受けました。
正確には、私ではなくて同僚が、ですが。
私は脇で聞いてました。


ここで、痛風の話。
痛風とは、血液中の尿酸値が高くなり、尿酸の結晶が血管内にたまり、血管を傷つけて炎症が起きてしまう病気です。この炎症の発作は、足や手の間接の血管に尿酸の結晶が溜まりやすくそういう場所で起こることが多いです。
発作は、風が吹いても痛い。だから痛風と言います。

尿酸値が上がる原因は何か。
プリン体を多く含む食品を摂りすぎると痛風になる。
そう思っている人も多いと思います。
確かに、それも原因の1つ。

でも、尿酸値が上がる原因はそれだけではないのです。
プリン体を多く含む食品の摂りすぎは、沢山ある原因の1つにしか過ぎません。


職場の管理栄養士さんに聞いた話。
尿酸値が上がる原因は
・ストレス
・アルコール(アルコールが代謝されるときにできる乳酸が、尿酸の排泄経路を塞いでしまう)
・糖質の摂りすぎ(炭水化物含む)
・プリン体を多く含む食品の摂りすぎ
・遺伝的因子
・腎機能の低下など他の疾患の影響
・薬剤性の要因


など、さまざま。
ビールはプリン体を多く含みますが、それだけではなくてアルコールが代謝されるときにできる乳酸が尿酸の排泄経路を塞いでしまうため、プリン体ゼロのアルコール飲料なら良いかと言われると、そうではありません。


プリン体を多く含む食品は、沢山あります。
肉類、魚類にも含まれる。
有名なのは、海老、蟹などの甲殻類。
ブロッコリーなどの野菜にもプリン体は含まれます。


痛風になったからと、それらを全て食べるのを止めますか?


緑黄色野菜は、尿酸の排泄を促します。
なので、プリン体を含む野菜を食べる事は問題にはならない。
むしろ、アルコール、甘いものなどを摂りすぎるなどの不摂生をしてないか、ストレス溜まっていないか…そちらを手入れする必要がある。
そういうケースは少なくないのではないかと思います。

日本人は、尿酸を作りすぎるよりも排泄する事がうまくできずに尿酸が溜まる事が多いようです。
尿酸生産過剰型より、尿酸排泄低下型のほうが多く、排泄低下型は全体の6割、生産過剰型は1割、残りの3割が両者の混合型と言われています。


尿酸は、“酸”なのでアルカリに溶けます。
尿をアルカリ化して尿酸が結晶化せず溶かして排泄するだけで、尿酸値は低下します。
尿をアルカリ化さるのは、野菜。
野菜を食べる習慣は大事です。



では、どうしたら良いのか?


長くなるので、次回に続きます。