先日は大學に1日缶詰めだったので、授業の合間に買ってなかった最後の教科書を購入。

神道だけでなく、仏教、儒教、道教、そして民俗学を知ると、日本土着の神観念や習俗が外から入ってきた要素と混ざり合い、影響しあって、現在の日本人の精神性を作っていると言うことがわかる。

人類が発生してから、5万年。

同じ地球にいて、生きものが移動している限り、影響し合うのは当たり前。
長い時間を掛けて、肉体的、精神的な旅をしてここまで来たご先祖様たちのDNAを、私達はどこかに受け継いでいる。

世界各地に似たような説話や神話が残るのも、そんな共通する体験が記憶の彼方にあるからなのかもしれない。口承文学の妖怪をみても日本と似た妖怪が世界各国にいる。
水木しげるも柳田国男の遠野物語を漫画化しているので妖怪のヒントはのんのん婆以外にもこの辺りの民俗学から得たんだろうな。
個人的に、妖怪は『べとべとさん』がすき。
誰でも一度は体験する?足音の妖怪だ。
実際子供の頃に遭遇した『土ころび』も現実なのか空想なのか分からないけど記憶に強く残っている。

また、古代の日本では自然崇拝で磐座(大きな岩)に神が宿ると考え、神は小さな小石から大きな岩へ成長すると信じられていた。
神は霊(精霊?)であり、依代に降りて成長する。
大きな巨石や異形の形の岩は寄り付いた神がそのなかで成長したもの。

国歌の君が代の中に
『さざれ石の巌となりて』
という一節がある。

何で小石が巌になるの?と思っていたけれど
文字通り石に宿った神が大きな岩になる、という発想だったんだ。
古代の口承文学には、今とは違う古代人の考え方や感性が隠れている。