なぜ中国工場は大幅の値上げに踏み切ったのでしょうか?
まず最初に(株)第一石材の能島社長のブログを見て下さい。
先ずは、結論として、福建省石材業協会墓石専門委員会は、
2018年元旦から、墓石製品の輸出価格15%値上げを提案しました。
中略
ちなみに、日本の石材製品の輸入のピークは2005年で、
2016年は数量で当時の40.4%、金額は70.1%とのことです。
そのため、世界一の石材マーケットとして知られる、
福建省の石材加工工場の数は年々大幅に減少しています。
2017年10月末時点で、墓石加工の中心地である恵安県の工場数は85軒。
この数は、昨年の同時期より45軒減、34.6%減の数値です。
もちろん日本からの受注が減ったのも重要な要因なのですが
出稼ぎに来てた人がわざわざ厦門までいかなくても地元近辺で仕事を探すことができたのと
墓石加工の仕事はそんなにラクではなく暑い福建省でマスクをしながら
冷房も効いてない作業場で仕事をするのはかなり大変なことなので他の仕事をすることにして
従業員の確保が難しくなってきたのも考えられる要因です。
みなさんもやってみたらすぐ分かりますよ。
そして値上げの要因は「人件費」も大きく影響します。
中国の人件費はかなり上がっています。
それゆえ世界的な衣料メーカーなどもバングラデッシュに工場を移行しています。
墓石輸入価格が高くなったのは上記の理由があるのですが
それによって影響を受ける日本の墓石販売について勝手に解説します。
墓石仕入れ価格が高くなることによって石材店はどのように対応するのか?
- 販売価格は据え置き。
- 事情を説明し値上げする。
- なんとかごまかす。
考えられるのは以上の3つ。
の販売価格は据え置きする石材店はほとんど無いと思われます。
消費税が8%にあがった年に多くの石材店は売り上げのピークを迎えたと思いますが
その後は売り上げを落としております。
なので販売価格を据え置きにできるにはある工夫が必要になりますが
それはのなんとかごまかすの時に説明します。
本当に価格を据え置き出来るのは今までボッタくってきたから
出来るんじゃないかと思います。
の事情を説明し値上げするが一番健全で正直な商売だと思われます。
実際、TVCMなど宣伝で釣られてくる客に対しては細かい事は説明せず
高くなった見積もりを見せても分かりませんが
競合してる客には細かい説明が必要になってきます。
「なぜ販売価格が高くなったのか?」、を。
正直に加工は中国であること、国内で加工すれはどのくらい高くなるかを
話していればお客さんも納得されると思います。
心配なのは価格は据え置きで粗悪品を販売することです。
あなたが墓石販売をしてたらどうやって販売価格を据え置きのままに出来ると思いますか?
販売価格を据え置きにするには
- 自社利益を削る。
- 仕入れ価格をより安くする。
のどちらかです。
墓石売り上げが右肩下がりの昨今においては自社利益を削ることはないでしょう。
なので仕入れ価格を安くすることを考えるかもしれません。
業界内の話や石材卸業者などの話で
過去に販売できるレベルではない石で墓石を作って大儲けしたという話は何回も聞いてます。
(細かい事例は説明しませんが)
高い中国工場と安い中国工場の大きな違いのなかでいちばん分かりやすいのは
一つの原石で墓石を作るのか、いくつかの原石を寄せ集めて墓石を作るのか、です。
後者は言うなれば余った石をあつめて墓石にしたわけで
関西の8寸和墓であれば寄せ集めの石でも墓石にはなります。
大きな一つの石であれば天目取り(石目を合わせる)ことも可能ですが
寄せ集めの石ではそれは可能なんでしょうか?
もちろん中国やインドの原石は大きいので寄せ集めの石で作った墓石をみても
よくわからないこともありますが国産石であれば見る人が見れはバレます。
一つの原石から作った墓石と寄せ集めの石から作った墓石、
残念ながら販売価格は一緒だと思います。
私の場合は寄せ集めの石で作った墓石などは販売しませんが
公営墓地などを見学したら時々石目の合ってない墓石を見ることがあります。
販売理念というものがないでしょうかね?
それをつかまされた消費者は気の毒ですが勉強不足なので仕方ないですね。
とにかく販売価格を据え置きにするには
商品レベルではない粗悪な石を使ったような安い中国工場から仕入れて
仕入れ価格を下げるしかありません。
ただ見積もり価格が高いのか安いのかを判断できる能力がみなさんにあればの話ですが。
そのためには私のような業界人のアドバイスは必要なのではないかと思います。