中学入試における最重要科目は「算数」と言われます。

 

娘が入塾した頃、塾の保護者会などで、受験生の間で最も得点差がつく入試科目は算数であり、算数攻略の重要性を説明された記憶があります。

 

実際に、開成や渋幕から公表されている入試結果データによると、受験者平均点と合格者平均点の差が最も大きい科目は算数です。

 

入試では算数の出来が合否を左右するケースが多いと言えます。

 

しかし合否は4教科の合計点で決まりますし、学校側から合格者の得点分布が公表されないので、算数の成績がどの程度影響しているのかわからない。

 

そこで今回は、市進定例試験の成績上位者の算数の成績に着目してみました。

 

このグラフは、2018年11月に実施された小6第7回定例試験における算数の成績分布です。

 

 

4科の偏差値70以上(■)と、偏差値70未満()で色分けしました

 

これを見ると、4科偏差値70以上(■)の人であっても、算数の偏差値は意外にも幅広いことがわかります。偏差値70以上が46%、69~66が32%、65以下が22%でした。

 

偏差値66~76が約80%を占めることから、算数の得意ではない人が最上位に入ることは相当難しいことがわかります。

 

一方、算数偏差値61~63では、4科偏差値70以上をとるためには他の教科でずば抜けた成績をとる必要がありますが、やはり、ほぼ全員が国語の偏差値70以上の実力者でした。

 

算数の調子がいまいちな場合、国語で取り返す実力がないと、4科偏差値70以上をとることはほぼ不可能です。

 

ちなみに、国語の偏差値も同様に分析してみましたが、算数ほどきれいな傾向はみられませんでした。

 

第7回定例試験における国語と算数の偏差値70以上は35人前後であり、人数はほぼ変わらないのですが、この中の4科偏差値70以上の割合は、算数は55%に対し、国語では35%と少なくなっていました。

 

国語の成績優秀者の中には、国語だけ得意な子がいるようです。

 

国語より算数の方が4科偏差値と強い相関があり、このことが午後入試で算数1教科入試が近年増えている背景にあるのです。

 

また2教科ともに偏差値70を超えているのは4人で、受験者全体のわずか0.2%である。4教科全て偏差値70を超えている人はゼロです。

 

オールマイティな人はそんなにいないのだ。

 

定例試験の結果を分析して見えてきたのは、ばらついている成績を何とかしようと奮闘していたのはほぼ全員だったのではないかということです。

 

昨年のこの時期、塾のテキストやプリントを引っ張り出してきて、苦手な分野に取り組み弱点補強に力を入れたことを昨日のことのように思い出します・・・。

 

さて入試まで残り少なくなりました。

 

6年生にとっては、とても大変な時期に入っていますが、最後の最後まで諦めないで頑張ってください!