2020年中学入試はすでに終了しましたが、中学受験塾では今後の受験指導に反映すべく、入試問題や入試結果の詳細な解析が進められている時期と思います。

 

その結果を踏まえて、2月下旬~3月中旬には大手塾が主催する中学入試分析会が行われます。

 

もう2年前になりますが、私も平日に行われる大手塾の入試分析会に参加しようと意気込んでいたのですが、仕事のスケジュール調整をしている間に、すぐに定員超過になってしまい参加申込ができなかった経験があります。

 

幸いにも他の会場が空いていて入試分析会に参加することができたのですが、このとき都心で高まる中学受験熱にかなり驚かされましたびっくり

 

都会から離れた公立志向の強い地域に住んでいると、最新の受験情報に触れる機会が少なく感覚が鈍くなっているのかもしれませんガーン

 

 

さて話は変わりまして・・・

 

中学入試の分析には正確な入試結果データが必要です。大手塾では塾生の合否結果を基に合格予想偏差値を出していると思いますが、SAPIXのような超大手塾を除くと、(特に上位校の)合否データを十分に集めることは正直難しくなっているのではと思います。

 

難関校の合格実績ではSAPIXの1人勝ち状態が続いていますからね。

 

また、SAPIXオープン、合不合、首都圏模試などの外部模試受験者の合否調査は、あくまで自己申告ですので、そのデータが合格者に偏っている可能性があります。

 

入試の傷がいまだ癒えない2月中旬ごろの合否調査ですから、

「あの不合格は思い出したくもない・・・」

という気持ちが働いてもおかしくないと思うショボーンショボーンショボーン

 

現在の中学受験では、複数回入試が導入され、入試形態が複雑かつ多様化しており、入試1回あたりの募集人数が以前より少なくなっています。

 

そのような募集人数の少ない入試では、塾では合格可能性を判断するだけのデータが集まらず、おそらくかなりの推測が入っているはずです。

 

市進のコラム「そうだったのか中学入試」に、この点を指摘した記事があり、その実情が正直に書かれています。

 

その中からいくつか書きますと、

 

■模試受験生の入試結果の追跡調査回収率(判明率)は中位・下位校になるほど低くなる傾向がある。


■データ件数の少ない学校では、かなりの推定を交えて合格基準値を決めざるを得ない。


■学校によっては合否の分布がきれいなグラフにならず、非常に合格ラインが読みにくい場合がある(入試問題にクセがある場合、面接重視の場合、複数回受験者を優遇する場合など・・・)。

 

この記事が書かれたのは2010年であり、10年近くも前のものですが、予想偏差値がどのように作られるか、貴重な情報が書かれているので、興味がある方は一度読んでみてください。以下にリンクを貼っておきます。

 

そうだったのか中学入試 第7話「偏差値の話(つづき)」

 

現在の中学入試はこの当時よりも一層複雑になっています。

 

各塾の予想偏差値はあくまで入試の合格可能性の目安として考えるべきであり、特に募集人数の少ない入試の場合、塾の予想偏差値はあまり当てにならないことを頭の片隅に置いておく必要があるのです。