中学受験の入試形態は多種多様で極めて複雑です。
私が中学受験した当時(昭和60年代頃)の入試関係資料をあらためて確認してみたのですが、都内私立中の75%以上が1回のみ入試を行う学校(いわゆる1回入試校)であり、併願パターンはわかりやすくシンプルでした
しかし現在はどうでしょうか。
1回入試校は難関校以外ほぼ消滅し、複数回入試を行う学校が90%を超えています。
中には6回、7回と一般入試を行う学校も存在するのです
午後入試も加えると、どれだけ数多くの受験パターン(組み合わせ)が考えられるのか、もはや想像できないですね・・・
ここまで入試制度が複雑になると、塾の友達でも完全に同じ入試スケジュールになることは珍しいかもしれません。
中学受験の入試形態は時代とともに大きく変わりましたが、都内の中学入試解禁日は2月1日であり、ずっと変わっていません。
東京以外の入試解禁日はというと、埼玉(1/10)、千葉(1/20)、神奈川(2/1)ですが、私が受験した当時、埼玉に私立中は浦和ルーテルぐらいしかなく入試解禁日はなかったはずです。
中学受験生に人気のある栄東、浦和明の星、淑徳与野、大宮開成、、、これらの学校もかつて高校募集のみでした
東京より入試解禁日の早い埼玉県内の私立中には、県外からの受験者が殺到し、6,000人を超える受験生を集める学校もあります
一都三県について、入試解禁日に入試を行っている学校の割合を調べてみると、東京は他県と比べて高いことがわかります。
■入試解禁日に入試を実施する私立中の割合■
東 京 94%(179校中168校)
神奈川 86%(58校中50校)
埼 玉 81%(31校中25校)
千 葉 70%(23校中16校)
東京は入試解禁日が遅く、2月1日から事実上数日間の短期勝負になりますので、解禁日に入試を一斉スタートする傾向が強いと言えます。
では千葉に隣接する茨城はどうでしょうか
(興味ある方は少ないかもしれませんが・・・)
茨城県私学協会に加盟する私立中は15校しかありません
これらの私立中の入試スケジュールを確認すると、県北部では何と、11月に一般入試が行われています。
その一方で、県南部では千葉との併願を考慮し、1月上旬から入試を行う学校が多いようです。
茨城の私立中には入試解禁日は存在しないのかもしれません。。。
東京に話を戻しますが、都内には私立中が180校以上ありますので、もし入試解禁日を定めないと、優秀な生徒の奪い合いのために、各学校の競争が激化し、入試の早期化、青田買いが進行する恐れがあります
そこで、ずっとずっと以前から、東京私立中学高等学校協会の加盟校で申し合わせてきた経緯があるのでしょう。
入試解禁日の設定は、学校数が多く生徒獲得競争が激しい都心部で特に大きな意味を持っているのです。
次の機会に、推薦入試について書きます。