推薦入試は、高校受験や大学受験において、一般入試と並んで広く実施されている入試形態であり、その認知度は高い。

 

一般的に、推薦入試といえば、第一志望者を対象にしたいわゆる「単願推薦」を意味することが多く、合格した場合は必ずその学校に入学しなければならないがあります。

 

逆に推薦入試以外(=一般入試)であれば、合格後に入学辞退しても良いと解釈できますが、かつて「公立高の辞退はできない」という暗黙のルール・不文律がありましたキョロキョロ

 

ネットで少し調べてみると、この暗黙のルールは現在でも存在しているようですびっくり

 

ところが、

 

東京私立中学高等学校協会のホームページを確認すると、

 

都立高の一次募集に合格しても、必ず入学手続きをする必要はなく、さらには、入学確約書提出後であっても私立高校に手続きしても差し支えない 旨が明記されているではありませんか。

 

これには少し驚きですーーーびっくりびっくりびっくり

 

昨年、都立日比谷高校が想定以上の辞退者によって定員割れし、初めて二次募集を行うことが報じられていましたが、都内では暗黙のルール・不文律は壊れつつあるのかもしれません。

 


さて、推薦入試のメリットについて考えてみますと、

 

まず受験生側ですが、推薦入試は一般入試より早いスケジュールで行われることから、高校入学の準備を早めに進めることができますし、万が一の場合でも、一般入試があるので、入試機会が増えることがメリットとして挙げられます。

 

一方、入試を実施する学校側には、その学校を志望する優秀な生徒を早期に確保できるだけでなく、一般入試を含めた入学者数の見込みが立てやすくなるなど学校運営上のメリットがあります。


推薦入試は、高校受験や大学受験のことと考えられがちですが、中学受験でも行われています。

 

中学受験での推薦入試の実施状況を調べてみると、関東1都6県で大きな差があることがわかりました(下図参照)。

 

 

千葉や茨城では70~80%以上の私立中が推薦入試を行っているのに対し、東京、神奈川、埼玉では全く行われていません。

 

都市部を中心に近年は中学受験熱が高まりを見せていることから、都内において推薦入試の潜在的なニーズは高いはずですが、私立中協会での取り決めがあり、未だ1校も行われていないのです。

 

もし都内で推薦入試が解禁されたらどうなるのでしょうか。

 

現在、推薦入試を実施しているのは中堅校が多いので、学力で中位レベルの受験生を中心に、一人当たりの受験校数が減り、中学受験市場に与える影響は決して小さくないことが予想されます。

 

学校にとっては受験料収入が減るデメリットもありそうです。

 

 

以下、個人的な考えですが・・・

 

中学入試であれ、大学入試であれ、推薦入試は第一志望者を優遇する特別な入試であり、実力本位の一般入試の募集枠とは明確に区別されるべきものと考えていますウインク

 

推薦入試における合格者の入学手続き率は100%なので、一般入試のように、辞退者を見込んで多くの合格者を出す必要はないはずです。。。

もし、こんな学校があったらどう思いますかあせる


■入試要項に記載の募集人数

 推薦入試(50名)、一般入試(50名)
       ダウン
■実際の入学者数

 推薦入試(80名)、一般入試(20名)

 

この学校では、一般入試に先行して行われる推薦入試で、募集人数より多くの入学者を確保しており、一般入試では募集人数より少数の学生しか入学させていませんねショボーン

 

かなり極端な例を書きましたが、実は私立大の推薦入試で問題視されていることなのです手

 

なぜそんなことが行われるのか?

 

考えられる理由としては、

 

(1)一般入試に先行して行われる推薦入試で多くの学生を確保するため。

 

(2)一般入試の合格者を絞ることで偏差値アップを狙うため。

 

(3)一般入試の受験料収入を確保するため(一般入試の募集人数を減らさない)。


推薦入試を導入する私立中が増えてくると、こんな問題が出てくるかもしれないキョロキョロ

 

以前に書きましたように、現在の中学受験の入試形態は極めて複雑であり、複数回入試の募集人数はどこまで正確なのか不明瞭になっています。

 

推薦入試に限らず、入試の透明性が求められているのです。