SAPIXオープンは、難関校の合格可能性判定に定評があることから、他塾の成績上位層もこぞって参戦している模試です。

 

SAPIX偏差値には中学受験用と高校受験用がありますが、

 

中学受験を控えたご家庭で、中学偏差値を穴が開くほど眺めることはあっても、高校偏差値までチェックすることは、おそらく少ないのではないでしょうか。

 

現在、中学受験で惜しくも残念な結果に終わっても、高校受験で同じ学校に再挑戦する人はかなり少ない。その背景には、高校募集を行う中高一貫校が少なくなったことに加え、中高一貫校には中学から入学した方がメリットがあると考える人が増えたことが挙げられます。

 

このような事情から、中学受験と高校受験では母集団が全く異なっているのですが、今回、2つのSAPIX偏差値(男子編)を比べてみることにしました。

 

まず中学および高校入試を行っている中高一貫校(男子)をピックアップし、SAPIX偏差値が高い順に並べました。

カッコ内は合格可能性80%偏差値を表します。)

 

<中学受験>

筑駒(70)、開成(67)、渋幕(64)、筑波大付(62)、慶應(59)、早実(57)、早大学院(56)、市川(56)、明大明治(55)、巣鴨(53)、立教新座(51)、城北(50)、青山学院(49)、鎌倉学園(48)、中大附(47)、桐朋(46)、法政二(46)、法政大(46)、学習院(45)、芝浦工大柏(45)、国学院久我山(42)、成城学園(41)

 

<高校受験>

筑駒(66)、開成(64)、筑波大付(62)、渋幕(61)、慶應(58)、早実(57)、早大学院(57)、市川(55)、明大明治(53)、青山学院(53)、立教新座(50)、中大附(48)、桐朋(48)、城北(45)、法政二(45)、巣鴨(44)、鎌倉学園(44)、法政大(43)、国学院久我山(43)、学習院(42)、芝浦工大柏(42)、成城学園(40)

 

※複数回入試がある場合は、最も募集人数の多い入試の偏差値を掲載しています

 

2つの偏差値を眺めてみると、偏差値上位校の顔ぶれは変わりませんが、私立の中高一貫校(進学校)の数は少ないことがわかります。

 

SAPIX高校偏差値で50以上は、開成(64)、渋幕(61)、市川(55)の3校のみであり、都内に限定すれば、開成のみです!

 

この数字をさらにじーっと眺めても、それ以上のことはわからないのですが、

 

2つの偏差値の関係をグラフにしてみると、また新たな事実が見えてきます。

 

 

 

 

このグラフから「SAPIXの中学受験偏差値と高校受験偏差値には高い相関関係がある」ことが明らかなのですが、

 

私が注目したのは、この直線から外れている学校です。

 

以下のように、2つのグループに分類しました。

 

1.緑色グループ (巣鴨、城北)

中学受験に比べて高校受験の偏差値が低めの学校。

 

2.水色グループ (早大学院、青山学院)

中学受験に比べて高校受験の偏差値が高めの学校。

 

興味深いことに、緑色は進学校であり、水色は大学附属校なのです。

 

少しこの意味を考えてみると、、、

 

巣鴨、城北は両校とも進学校であるが、高校入試では生徒獲得競争に苦戦している可能性があります。この偏差値を見る限り、中学入学組と高校入学組の学力差がかなりあるのではないかと推測され、またこの傾向は、数年前に同じく男子進学校であった本郷が高校募集を行わなくなったことと、おそらく関係があるものと思います。

 

早大学院、青山学院は大学附属校であり、高校入試では特に人気が高く難易度がアップします。高校受験生は3年後には大学入試を控えているわけであり、大学附属校の人気が高いのは当然ですね。偏差値だけで判断すると、中学から入学するのがお得な学校ではないかと考えられます。

 

このように、2つのSAPIX偏差値を比較すると、中学偏差値のみではわからなかった新たな傾向が見えてきて、学校選びの参考になるかもしれませんウインク