現在、首都圏の中学入試は、多くの学校で、国語・算数・理科・社会の主要4科目で実施されています。
これは私が中学受験した頃から何ら変わっていませんが、
一般入試で、英語選択入試を実施する私国立中はここ数年で増えており、2021年入試では首都圏で143校にのぼるとされています(首都圏模試のホームページより)。
英語はあくまで選択科目であるため、中学受験対策を行う大手進学塾では、これまで主要4科目の対策を行ってきました。
しかし先日、市進グループ塾のホームページを何気なく見ていたところ、近い将来、中学入試に英語が出題される可能性も視野に入れて、塾側でも英語カリキュラムの準備を進めていることがわかりました。
以下のFAQが掲載されています。
★英語が必修化していますが、県立中高一貫校で英語は出題されますか?
<回答の要約>
・茨城県教育委員会より『入学者選抜実施要項』が、発表されておりますが、出題があるかどうかについて、明言されていない。
・常に入試の変化に備えた準備と分析を行っており、県立中高一貫校の入試に英語が出題される可能性も視野にいれ、各種授業のカリキュラム等の準備を進めている。
・県教育委員会から『英語が出題される』かどうかについて具体的な発表がありましたら、それに合わせた県立中高一貫校受検用の英語対策を始めることができるよう、さまざまな準備を整えている。
すでに、私立中では中学入試で英語を課す学校が出てきています。
江戸取中では来春入試より、従来の4科目に英語(リスニング)を加えて、5科目入試を行うことを発表しています。
実はこの方針は、すでに数年前に発表されていたことではありますが、他の学校の動向が不透明な状況下で、江戸取中がトップランナーとして実施に踏み切ることになります。
江戸取中の募集要項には、英語の出題について、以下のように書かれています。
「小学校で使用している文部科学省認定済教科書の範囲内で出題します。小学校での授業を重視して学習に取り組んでいるかを試す問題です。全てリスニング問題になります。」
少なくとも初年度入試では、特別な入試対策は必要ないようです。
他の学校が従来の4科目型入試を行っている中、もし江戸取中が本格的な英語入試を行ったら、応募者数の激減が予想されますので、難易度を考慮せざるを得ないものと思います。
では、中学受験生は小学生のときに英語を勉強していないのか?
実はそんなことはありません。
娘の学校の友人を見ていると、幼いころから英会話スクールに通っていたり、英語教材に熱心に取り組んできた子が大多数のようです。
それは英検取得率の高さに表れており、娘が通う学校の学年では、中学入学時点で英検3級以上の取得率が約25%。
その後、中3の4月時点で英検準2級以上の取得率が約50%と聞いています。
中1入学時点で、英語はゼロからの一斉スタートではなく、かなり実力差がついている現実を認識する必要があります。
江戸取中が中学入試で英語を必須にした背景として、
✓ 2020年度から小学校で英語が正式科目となったこと
✓ 大学受験でこれまで以上に英語の重要性が増していること、が考えられますが、
上記に加えて、おそらく「中学入学時の英語の学力差」、実はこれが解決すべき課題になっているのだろうと推測しています。