Q&A1810 妻に相互転座あり、流産3回 | 松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

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生殖医療に関する正しい知識を提供します。主に英語の論文をわかりやすく日本語で紹介します。

Q 31歳、妊娠3回、流産3回

全て自然妊娠・毎回1周期目で妊娠しています。妊娠しやすい体質かな?と思うんですが、3回とも心拍確認後に稽留流産しています。流産物の染色体検査では全て児に染色体異常がありました。 不育症の検査は問題なかったのですが、夫婦の染色体検査を実施したところ、妻のロバートソン転座(45,XX.der(13,14))が判明しました。調べたところ、ロバートソン転座保因者の受精卵は6種類の組み合わせができて、そのうち流産しにくいのが2種類で、残り4種類は不均衝型で流産・死産するか、または着床しないとありました。受精卵がモノソミー だった場合は着床しないと書いてあったのですが、
①着床促進ぎみの私はモノソミー も着床してる可能性があるのでしょうか。
②その場合、流産になるとは思うのですが、心拍確認までいくものでしょうか。
次こそは!と期待した後に地獄に突き落とされ、毎回子宮内容除去術を受けるのは辛いです。出来れば着床前診断をせず自然妊娠で頑張りたいと思っているのですが、このまま流産回数を重ねていくのもかなりしんどく、途方に暮れています。

 

A 

①着床促進の方ではモノソミーが着床している可能性は否定できませんが、証明されていません(一般の方はものソミーは着床しないと考えられています)。

②おそらく心拍確認まではいかないと思いますが、心拍確認できることもあるかもしれません。

着床促進の方は、着床前診断(スクリーニング検査)する以外に現状を打開する方法はありません。なお、不思議に思うかもしれませんが、ロバートソン転座の場合の出産率は染色体異常がない方とほとんど変わりません。一方、相互転座では染色体異常がない方と比べ出産率は半分になります。

 

なお、このQ&Aは、約4〜5ヶ月前の質問にお答えしております。