Q&A1699 季節変動は? | 松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

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生殖医療に関する正しい知識を提供します。主に英語の論文をわかりやすく日本語で紹介します。

Q 上半期の治療実績は大変参考になりました。ありがとうございます。もし、春夏秋冬など季節により妊娠しやすい、成功した方が多いというデータはありますか。体外受精を考えていますので、春に移植をした方が着床しやすいと言っている方がいらっしゃったので本当かどうか気になりました。

 

A 日本の人口統計をみても季節性変動があるのは事実です。過去50年の日本の月別出生数の統計によると、7月、8月、1月にお産が多く、2月と11月がお産の少ない月です(一番お産の多い月と一番少ない月の差は1日あたりに換算して約2%)。7~8月の分娩は、10~11月の排卵で成立した妊娠です。「日照時間と日光の強度が最大となる時期から、高緯度の地域では3ヶ月後低緯度の地域では1~2ヶ月後に受胎する確率が高くなる」との論文があり、それと一致します。しかし、1月の分娩は4月の排卵で成立した妊娠にあたりますが、 何故1月にお産が多いのかを説明できそうな根拠は私の知る限りありません。

 

下記の記事を参照してください。

2013.7.22「☆季節により妊娠率•流産率は違うか?

2012.12.1「☆何月が妊娠しやすい?

 

なお、このQ&Aは、約4〜5ヶ月前の質問にお答えしております。