Q&A1860 海外在住、流産後の出血 | 松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

生殖医療に関する正しい知識を提供します。主に英語の論文をわかりやすく日本語で紹介します。

Q 海外在住

①心拍確認後7週流産

②その後すぐ妊娠するも出血、病院に行くと血腫ができていてそこから出血している。と言われましたが、赤ちゃんは心拍もあり元気でした。ただ血腫がこれ以上大きくなったら赤ちゃんも危ないということで家で絶対安静という指示が下され、1ヶ月ほど本当にトイレ、シャワー以外はずっとベッドで横になっていました。その後の検査で血腫は固まって来ているから大丈夫と言われ安心して過ごしていたのですが、10週で流産してしまいました。

 

手術は日本に帰ってしました。その後、日本での不育検査をしましたが特に問題は見つからず、年齢も年齢なのですぐに妊娠しても大丈夫と言われました。

流産処置後1ヶ月くらいずっとだらだらと出血していました。病院に行っても大丈夫と言われていたので私もまぁ大丈夫だろうと思って見ていたらそのうち出血は止まりました。2ヶ月たっても生理が始まらないので病院に行くと、一回全部リセットして生理を起こさせた方がいいということになり、10日間薬を飲みました。その一週間後本当に少しだけ出血しました。2ヶ月後病院に行くと、子宮の中に血は溜まってきてるけど生理はもうちょっとまたないといけないなぁと言われたのですが、検査した日から3日ほど少し出血しました。私はそれが生理かと思っていたので出血した日から数えて28日目にまた生理がくるだろうと思って待っていたのですが、予定日の一週間後に本当の少量3日ほど茶色い血が出てきました。これほど生理が遅れているのはやはりおかしいのでしょうか。手術中とても痛かったので子宮の壁がかなり剥がされて取り返しのつかないことになっているんじゃないかとかこのまま生理がこなかったらどうしようかと悩んでいます。もちろん今も流産したことがショックで精神的にすごく落ち込んでいます。

松林先生のブログを読んでいると精神的なこともホルモンに関係すると書かれていたのでもしかしたらそのせいで生理が遅れているのかとも思っています。二回目の妊娠の時私はもう不安で不安で本当に毎日でも病院に行って心拍を確認したい思いでした。その心配なことが二回目の流産につながったのかもと思うともう耐えられません。

 

A 流産後の生理周期は多くの方で乱れますので、多少の生理不順や不正出血は納得できます。ただし、文面の状況からすると、それだけではない可能性もあります。例えば、hCGが低下していない場合には、ダラダラと出血が続きます。ぜひ一度、hCG採血をお勧めします。

また、心配したり落ち込んだりすると、子宮内の血管が収縮し、胎児への血流低下を引き起こしますので、丁度自分で自分の首を締めるような格好になります。一度目の流産は偶然でも、このような理由により二度目の流産を引き起こす可能性があります。安心して妊娠生活を過ごすためには、少しでも安心材料が必要です。不育の領域は進歩が速いですから、常にアップデートが必要です。また、判断基準は一般の内科的基準ではなく、妊娠を目指す基準で見る必要があります。したがって、他のクリニックで異常なしと言われた方のデータを見ると多くの場合に異常が見つかります。この辺りがしっかりできているか、今一度日本で不育症専門の先生に診てもらうのが良いと思います。

 

なお、このQ&Aは、約4〜5ヶ月前の質問にお答えしております。