最近読んでよかった本 その47 | 松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

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生殖医療に関する正しい知識を提供します。主に英語の論文をわかりやすく日本語で紹介します。

最近読んでよかった3冊を簡単に紹介します。

なお、紹介の順番は五十音順にしています。

 

 

「恋する創薬研究室」喜多喜久

薬学部出身の喜多喜久が理系女子(リケジョ)を描いた作品。大学と家族と恋愛を創薬の開発に絡めて物語が進んでいきます。最後はすっかり騙されました。

 

 

「最後の医者は雨上がりの空に君を願う」二宮敦人

2017.12.20「最近読んで良かった本 その36」でご紹介した「最後の医者」シリーズ第2弾です。上下2冊に及ぶ長編の後半2/3はまさに主人公2人の葛藤を描いた素晴らしい作品です。何事にも温厚な内科医「音山晴夫」亡き後、最後まで諦めない外科医「福原雅和」とあっさり望みを断ち切る皮膚科医「桐子修司」の人生の苦悩、そして二人の結びつきとは?良い医師とはどのような医師か、心に響く作品です。

 

 

「変身」東野圭吾

24歳の会社員、成瀬純一は不動産屋で強盗に遭遇し、その場にいた女の子をかばって拳銃で撃たれた。しかし、脳神経外科医、堂本教授の執刀により、世界初の脳移植手術が行われ奇蹟的に一命をとりとめた。次第に蘇ってくる記憶、恋人の葉村恵との再会に、成瀬は前の自分とは違う違和感を感じる。成瀬はドナーの脳による変化に違いないと、ドナー探しに奔走する、ドナーの名前は非公表、もちろん堂本も教えてくれない。ドナーの正体が明らかになり、成瀬は愕然とするが、徐々にドナーの脳に支配されていき、成瀬自身の脳の存在はもはや風前の灯となる。成瀬は最後の賭けに打って出る。20年以上前に書かれた作品とは思えないリアルさがあります。本当に脳移植が行われたらどうなるのかわかりませんが、あり得る話だけに背筋が凍ります。