Q&A4006 移植に向けてやるべきこと | 松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

生殖医療に関する正しい知識を提供します。主に英語の論文をわかりやすく日本語で紹介します。

Q 

①ERPeak再検査について
2021~2022年にかけて、リプロ東京にて凍結胚移植を3回行いました。その内1回は陽性判定でしたが、稽留流産となってしまいました。その後、採卵を繰り返し、いよいよこれから、また移植をしたいと考えています。当時、できるオプション検査はすべて行っておりましたが、これから行う移植に向けて、ERPeak検査をやり直したほうがよいでしょうか。ERPeak検査は2021年に行っており、当時は、窓ずれなしでした。稽留流産になってしまってからは行っておりません。CD138(慢性子宮内膜炎、BCE検査)などの検査はやり直そうと思っております。


②生理時の経血量と移植時の内膜について
採卵の刺激にクロミッドを使うようになってからか、年齢からなのか、最近の生理で経血量が少なくなってきたと感じております(生理が3日くらいで終わります)。生理の経血量が少なくなっていたとしても、内膜の厚さが規定以上あれば移植には影響はないのでしょうか。前述の陽性判定時は自然周期(レトロゾール服用)でしたので、同じ方法が良いと思っているのですが、自然周期で内膜を厚くする方法はあるのでしょうか。ホルモン補充周期では2回移植をしていますが、着床すらしていない状況でした。

 

A 

①出産や流産後、あるいは年月の経過により変化してしまうのは、CD138(慢性子宮内膜炎、BCE検査)と着床の窓(ERPeak検査)です。この2つは最低限やり直してから移植に臨むことをお勧めします。
②年齢と共に経血量は誰でも減ってきます。経血量が少なくなっても、子宮内膜の厚さが7.0mm以上あれば移植には全く影響はありません。自然周期で子宮内膜を厚くする方法として、アルギニンサプリやシルデナフィル経腟投与があります。

 

なお、このQ&Aは、約3週間前の質問にお答えしております。