東京、岡山のロングシリーズ。

ある意味仕事では今年の大きなヤマとなる場面。

 

その初日の月曜日、銀座での仕事を終えたのが16:00。

その後の予定がなかったので、来る道中物色していた時に見つけた新宿末廣亭の寄席。

 

なんと神田伯山が出る!

というか10日間連続で出ている。その千秋楽の日。

これが月曜日になるのも、自分が東京いくのも偶然。

土日だったら間違いなく満席で入れないはず。

 

月曜日でも満席かな・・

寄席はチケットの予約というシステムがない。

当日、そこに行かないと入れるかわからない。

 

16:00から行って入れるのか?

ダメもとで丸の内線で新宿三丁目に向かい、末廣亭を探す。

思えば新宿三丁目という駅はあまり利用したことがなかった。

 

なんだろう、昭和の都会という雰囲気の末広通り。

小さな料理屋や居酒屋の立ち並ぶ、その中に末廣亭はあった。

 

おお。

YouTubeの伯山TVのオープニングでよく見る風景。

初めてきたわー。

 

おそるおそる窓口に行ってみると、満員の文字はない。

普通に3000円払ってチケットをくれた。

 

中に入ると熱気がすごい。

案内係の人がいて、空いてる席を紙で示して選ばせてくれた。

おお?4席くらいしかないじゃん。

いやこれはラッキーだったってことか?

 

※中は撮影禁止なので画像はなし。

 

左右の桟敷席に2席ずつ空きがあった。

迷わず左側を選ぶ。

なぜなら楽屋からの入り口が見える方だから。

 

座布団1枚分+αのスペース。

狭いけれど不快にならないギリギリの広さ。

そこに陣取る。

 

 

時間は17:00を過ぎたあたり。

演目は山上兄弟が舞台上ででっかいトランプ奇術をやっていた。

 

よし。

これはいいタイミングで来た。

次が阿久鯉姉さんだ。

 

演目は伯山で聞いたことのある、東海道を盗人と一緒に旅する話。

なんという演目か失念した・・。

 

落語 三遊亭遊吉

コント 青年団

 

そしてお待ちかねの伯山。

末廣亭割れんばかりの拍手。

その中を歩いてきて、座布団に座る。

張り扇と扇子を打つ。

拍手がやむ。

 

一言挨拶。

また拍手。

 

一連のリズムがいい。

伯山の演目は「鋳掛松(いかけまつ)」

YouTubeで聴いたことのある演目だった。

だけども。

ライブは違う。全然違う。

 

桟敷席からだと会場全体の雰囲気がわかる。

間違いなく、全員が伯山の話術にのめりこんでる。

まるで物語の中にいるような感じになる不思議な感覚。

 

何分やったのだろう。

あっという間の出来事だった。

生伯山は初めてだった。

 

張り扇を打ち、扇子を横に置き、話を終える。

映像ではよく見る終わり方。

割れんばかりの拍手の中、伯山が楽屋に下がる。

 

中入り。

ここで帰るお客さんもちらほらいたが、今日の主任は神田松鯉。

伯山の師匠であり、人間国宝だ。

演目も番町皿屋敷と発表されている。

これは最後までいるべきだろう。

まぁでも9割以上のお客さんが残ったかな。

 

ねづっち見たかったけど、交替で残念。

代打のニュースペーパーもおもしろかった。

 

東京ボーイズのあの感じ、伯山TVで知ってたけどいいねぇ。

そして大トリの神田松鯉。

 

80超えで耳も悪いと聞く。

どもったり、つまったりはあれど、それでも話のテンポや強弱はさすがのもの。

誰でも年を取れば老いるのは当然。

それでも高座で客を唸らせるのだからそれは凄いこと。

 

最後の暗転からのクライマックスなどは、ホントにゾッとした。

7月の暑い盛りに怪談というのは、この寄席では定番なのだろう。

12月の義士のように。

 

終演後の新宿末廣亭。

夕方とは全然違う活気がある。

 

いやー。

思い切って銀座から来てよかった。

このあとまた大手町まで戻り、ホテルに。

翌日の仕事の一人ロープレ。

 

そして今。

なんと本番登板後のその席でこれを書いている。

90分の登板は長かった。

だけど、この新宿末廣亭の舞台の演者になったつもりで臨めた。

 

いい経験をした。

また新宿末廣亭、来たいと思う。

浅草、上野広小路とはまた違う、独特の雰囲気がここにはある。