バルセロナ - M.ユナイテッド (0-1)

■試合総評
バルサはメッシのドリブルが有効だったが、逆に言うとそれだけだった。
全ては何らかの個人技の突破から攻撃が始まっており、それを封じられた場合の手の無さが目立った。
それでもメッシやデコらがシュートチャンスを作っていたのは流石だが、M.Uの連動性ある攻撃と比べると完成度の低さを露呈したといえる。

逆にユナイテッドはルーニーを欠いていたにも関わらず、すばらしい攻撃を見せた。
中でもパクチソン、ナニ、スコールズらの中盤の運動量は凄まじかった。
苦し紛れに前線に上げたロングボールでさえも、何とかセカンドボールを拾って2次攻撃に繋げていく辺り、意識の高さ故のチームワークを感じさせた。

そして、パクを筆頭に、常に次のパスコースへと走ることで、C.ロナウド、ナニといった脅威的なドリブラーをチームで存分に生かしていた。
結果パスが来なくても最後まで走っていたことは賞賛に値する。

メッシを孤立させてしまった、メッシに依存してしまっていたバルサとの決定的な違いはここにあった。
そしてフリーランでひきつけた逆の方向へドリブル、パスを繰り返すことで、非常に効果的な攻めを展開していた。

決勝点は、ドリブル突破を仕掛け、バルサのクリアミスを拾ったスコールズのスーパーミドルシュートだった。
シュート自体は、もの凄い弾道でTVではここの部分ばかり放送されるだろうが、ドリブルしている選手を常にフォローできる位置に走りこんでいた(スコールズ以外にも連動して走っている)事が結果ゴールに繋がったと言いたい。

結果は0-1だったし、決定的チャンスの数だけで言えばバルサにもそれなりにチャンスはあったのだが、サッカーの質の差がそのまま結果に現れた試合であった。


■パクチソンについて
また、アジアの目指すべき道としても、パクチソンは非常に参考にすべき選手だろう。
一時期の中田(英)のように、豊富な運動量と基本技術の高さで 完全にマンチェスターUのなかで存在を確立している。
今日の試合でもフリーランでチームを助け、居るべき場所に居て、簡単なパスはミスをしない、、、これを永遠に繰り返し続けることの難しさと意思の強さは並大抵ではない。

日本では、華麗な技術ばかりがクローズアップされる傾向にあるが、サーカス的なプレーで、一気に抜くか、簡単に取られるか、というギャンブルではなく、確実に相手の逆にトラップする、パスは強く出す、相手の背後に走りこむ、といった当たり前のプレーの連続が、こういう大舞台ではもっとも大事なのだと認識すべきだ。

サッカー番組もTV局が視聴率欲しさに派手なプレーばかり追及するのではなく、こういう地味なプレーの重要さを伝えてほしいものだ。
今のアジアでは(残念ながら)日本のどの選手よりもパクのような選手のほうが、チームにとって有益であるし、有能であると言わざるを得ない。

中村も高水準なプレーは見せているが、やはりM.Uというチームレベルを考えると、このレベルで先発出場するという事はアジアにとって誇るべき事実だろう…

そうは言っても日本のTVでは、そういうことは報道しない姿勢も気に入らないのだが・・・
先週末は松井のスーパーゴールもあったし、そっちばかりが流れる気もする…
それはそれで悪くないのだが、見習うべきプレースタイル、日本のサッカーが目指すべきもの、というのを、メディア、サッカー関係者 一丸となって 牽引していってほしいと願うのだが。

CLに話しを戻すと、これでますますマンチェスターが最強との認識を深めたが、一発勝負だけに決勝戦の予想はしがたい。

個人的にはチェルシーが来た場合、机上通りにユナイテッドが勝つ気がする。
逆にリバプールが来た場合は不思議と何故か勝ち逃げしそうな・・・


ともあれ明日の早朝のリバプールーチェルシーも楽しみだ。