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一昨年、父(享年75歳)の7回忌を迎え
父を思い出す事が最高の供養だと思い
この連載を書くことにしました
父(三男)は熊本の貧しい農家の
4番目の子どもとして生まれました
一番上の姉(初子)を筆頭に
その下には男五人(一男・二男・三男・四男・五男)
の6人姉弟そんな父と私のお話です
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初めての方はこちら から
父は胃の手術のため、数日前から大学病院に入院した
手術の朝、県外に居る兄から電話が掛かって来た
「まゆみ父さんと母さんを頼んだぞ」
「心配しなくて大丈夫だって」
手術室に入る父は、心細そうな目で私たちを見つめる
「お父さん、頑張ってね」
妹の香織がストレッチャーに横たわった父の手を握る
「みんなついてるからね」
母は必死で笑顔を作る
「大丈夫大丈夫」
私が声を掛けると、父は「ああ・・・」と言いニコッと笑った
『手術中』の赤いランプが点灯する
順調に行けば3時間程度で終わると言われていた手術だが
3時間半を過ぎていた
待合室で待っていた私たち3人は
何度も手術室の前へ行き『手術中』を確認した
「遅いよね」
香織が心配そうに言う
「大丈夫なのかしら
お父さんにもしもの事があったら・・・」
母は今にも泣き出しそうである
「大丈夫だってば
3時間って言っても、前に麻酔したり
終わってからも後処置したりの時間もあるんだから・・・
4~5時間は覚悟しなくちゃ~」
またまた適当にそれらしいことを言って
母と妹の心配を和らげる私
だが・・・そんな私も心配で堪らない
『3時間程度って言ったら、だいたい全て終わるのが
それ以内じゃないの』
医者はいつも最悪の場合を想定して
言葉を発する事を知っていた
しばらくすると手術中の電気が消えた
「成功したのだろうか
それとも・・・・」
私はドキドキして心臓が止まりそうだった
中から手術を終えたばかりの医者が出てきた
「手術は成功です
後ほど詳しいお話をしますので、病室でお待ちください」
「はいありがとうございました」
私たち3人は深々と頭を下げた
父は静かに眠っていた
良かった良かった
「ちょっとトイレに行って来るね」
母と妹にそう言い残し・・・
張りつめていた緊張の糸がプツリと切れた私は
・・・・泣いた
~(140)へ続く~
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