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一昨年、父(享年75歳)の7回忌を迎え
父を思い出す事が最高の供養だと思い
この連載を書くことにしました
父(三男)は熊本の貧しい農家の
4番目の子どもとして生まれました
一番上の姉(初子)を筆頭に
その下には男五人(一男・二男・三男・四男・五男)
の6人姉弟そんな父と私のお話です
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初めての方はこちら から
お腹の赤ちゃんも順調に育ち、性別は聞かずに
生まれるまで楽しみにしていようと思っていた
だが・・・検診の時~聞きもしないのに医者が
「女の子かなああ・・・やっぱり女の子ですね」
エコーを見ながら言って欲しくない一言を私に告げる
でも『女の子』と聞いて嬉しかった
里帰り出産の準備も着々と整えていたそんなある日
妹の香織から電話が掛かって来た
「姉ちゃん・・・今、職場に病院から電話があったの」
「何て」
「・・・・お母さんの・・・病気の事で・・・話があるって
私・・・お父さんのこと・・・知らなかった」
「泣いてちゃ~わかんないよ」
香織には父の胃癌のことは内緒にしていた
父と香織には
「ポリープが癌化する可能性があるから
その前に手術をした方が良い」と話していた
今回、母が胃カメラの結果で癌が見つかったと言う
父に話すと自分のことがわかってしまうので
同居している香織に電話が掛かって来たのだ
「お父さんにもお母さんにも話せないので
1度、病院の方へ来て頂けませんか
お父さんの胃癌のことはご存知ですよね
お母さんも同じ病気なのです」
と言われたらしい
「姉ちゃん、お父さんが癌だったって知ってたの」
「私は知ってたよ
だって・・・香織に話すとそうやってお父さんの前でも
泣いちゃうでしょ」
「まあ・・・確かに
私、ひとりで話なんか聞く勇気がないよ」
「わかった
私が行くから、香織は良いよ」
良ちゃんに話すと「付いて行くよ」と言ってくれた
ふたりで病院を訪れた
部屋で待っていると年配の医者が静かに入って来て
母の病状を詳しく話してくれた
「お父さんは3分の2の摘出でしたが
お母さんの場合は位置が悪いので、胃の全摘になります
お母さんには告知しますか」
私は迷った
しかし・・・父の病気の時に母が言った言葉を思い出した
「お母さんだったら、全てを話して欲しい」
心配性だが、イザとなると気丈な母である
母ならきっと受け止めて乗り越えてくれると思った
それに、胃の摘出手術を受けた父は経過も良好である
「母には全てを話して下さい」
「わかりました」
すると横から良ちゃんが
「手術を受けると、寿命はまっとう出来るんですか」と聞く
「成功すれば、それは大丈夫だと思いますが・・・
万が一ということも視野に入れておいて下さい」
私は動揺して大声で叫んだ
「死んじゃう可能性もあるって事ですか」
「まあ・・・そういうことになります」
母が居なくなるかも知れない恐怖
出産の不安が私を襲った
私は里帰り出産を変更して
自分ひとりで何とかしないといけないと覚悟を決めた
だが、数日後・・・母から電話が掛かって来て
「いつ頃から、帰って来る」と聞く
「里帰り出産なんかしてる場合じゃないでしょ
それより、早く手術受けてよ」
「お医者さんに聞いたら、半年以内にすれば良いんだって
『娘の出産がある』って言ったら
『その後で良い』って言われたから大丈夫よ」
「お母さんお医者さんから病気のこと~
どう聞いたの」
「ああ・・・胃ガンで胃を全部取らなきゃいけないんだって」
「それ、知っててそんなこと言うの」
「真弓の初めての出産なのに~心配で入院なんか
してられないわ
そんなに急激に進行するものじゃないらしいから
落ち着いてから手術は受けるわ
それに~お父さんも真弓が帰って来るのを
楽しみにしてるしね」
「ほんとに大丈夫なの」
「大丈夫だってば」
気にはなりながら、母の言葉に甘える事にした
こんな状況で自分の事より
周りのことを考えてくれる母は強く、偉大だと感じた
父もショックを受けている様だったが
父には「お父さんと一緒のポリープなの」と母は話していた
ほんとのことを知らない父は
「母さんも父さんと同じで、胃無しになっちゃうのか
こんなことまで、お揃いじゃなくても良いのになぁ~」
とどこか嬉しそうである
~(155)へ続く~
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