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一昨年、父(享年75歳)の7回忌を迎え
父を思い出す事が最高の供養だと思い
この連載を書くことにしました
父(三男)は熊本の貧しい農家の
4番目の子どもとして生まれました
一番上の姉(初子)を筆頭に
その下には男五人(一男・二男・三男・四男・五男)
の6人姉弟そんな父と私のお話です
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初めての方はこちら から
あかりはどんどん可愛くなっていく
2ヶ月ほど実家でお世話になった私は
あかりと共に良ちゃんが待つマンションへ戻った
その後~母は胃ガンの摘出手術の為、総合病院に入院した
身長153cm、体重60kg
いつも鏡の前で「痩せたい」が口癖だった母は
術後・・・見る見る痩せ、別人になってしまった
胃を全摘した母は、3分の1胃が残っている父とは違い
回復も遅く、点滴の日々が続く
お見舞いに行く度に、あかりの成長の様子を話したり
写真を見せたりしていたが・・・
病院内へ連れて行くのは抵抗があったので
「お母さんが外に散歩に出れるようになったら
あかりも連れて来るね」
そう約束していた
暖かくなった頃、母はボチボチ歩けるようになった
母にあかりを会わせるのは数ヶ月ぶりである
中庭のベンチに座り、母が来るのを待っていると
父が母の手を引いてゆっくりゆっくり歩いて来た
「わ~あかりちゃん
大きくなったねぇ~~」
毎日見ている私にはわからなかったが
数ヶ月ぶりに見る母にとって
あかりの成長には驚くものがあったようだ
母の居ない家は暗く淋しい
いつも賑やかな父も元気がない
それでも、あかりを連れて遊びに行くと
「あかりちゃんおじいちゃんでちゅよ~」と
その時だけは、いつもの父に戻る
ある日~あかりを連れ、良ちゃんと3人で父の元へ遊びに行った
「お父さん居るのぉ~」
父はカーテンも閉め切って、薄暗い部屋でソファに座って
テレビを見ていた
「ああ・・・真弓か」
「カーテンくらい開けなさいよ」
「そうだな
おお~あかりちゃん来たね」
父は笑顔になる
おっぱいをちょっと飲んではウトウトし
また目を覚ましては飲み始めるという様な
ダラダラ飲みをするあかりは
夜中も何度も目を覚まし、私は慢性の睡眠不足である
慣れない育児に余裕もなく
母のお見舞いと父にあかりを見せに行く事だけで
手一杯だった
美容師をしている妹の香織は
お店が夜8時までの為、毎日帰りが遅く
父は夕飯をひとりで食べている様であった
「お父さん今日の夕飯は何かあるの
作ってあげようか」
「昨日の残り物があるから、それでも食べようかなぁって
思ってたところだよ
でも・・・真弓たちは青木の両親の方にも行くんじゃないのかい」
「うん・・・行くんだけど・・・
夕飯をこっちで食べようか
向こうで食べようか迷ってるの
お父さんはその残り物で大丈夫」
「ああ・・大丈夫だよ」
「じゃあ~私たちは向こうで食べるから
それじゃ、また来るね」
「あかりちゃんまたおいで」
良ちゃんの実家で夕飯を食べると
義母が全て作ってくれる
私は自分が楽をする事ばかり考えていた
母の居ない実家で甘える事が出来ない私は
良ちゃんの実家で甘える事が心地よかった
義母は優しく、私が良ちゃんの愚痴を言うと
私の味方をしてくれた
近所の人からは「実の親子みたいだね」と言われた
数週間後、母のお見舞いに行くと~
「だいぶ顔色良くなったね」
「うん、おかゆも美味しく食べられるようになったしね
それはそうと・・・お父さんが言ってたよ
『真弓は冷たいなぁ~』って」
「えっ何のこと」
「この前、お父さんをほったらかして
青木の実家に行ったでしょ」
「あれは~『ご飯作ってあげようか』って言ったけど
お父さんが残り物があるからって言ったから・・・・・」
「それでもお父さんは、真弓が作って
一緒に食べてくれるって思ってたのよ
お母さんも真弓がときどきお父さんに会いに行ってくれるから
安心してたのに」
「確かに・・・淋しそうだった」
母から言われて、育児に追われ
自分の事しか考えていなかった自分を責めた
【母命】の父が、今どんなに淋しく心細い生活を送っているのか
考えもしなかった
今までずっと私の事を守って来てくれた父に
恩返ししたいと思っていたのに~
私は逆に淋しい思いをさせてしまった
お父さん、ごめんなさい
何度も何度も心の中で謝った
~(159)へ続く~
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