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一昨年、父（享年７５歳）の７回忌を迎え
父を思い出す事が最高の供養だと思い
この連載を書くことにしました
父（三男）は熊本の貧しい農家の
４番目の子どもとして生まれました
一番上の姉（初子）を筆頭に
その下には男五人（一男・二男・三男・四男・五男）
の６人姉弟
そんな父と私のお話です
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初めての方はこちら から
兄は私が結婚した翌年に結婚し・・・
私があかりを産んだ数ヵ月後に
長女（亜矢）を授かっていた
神戸に住んでいる兄たちが
まだ娘たちが赤ちゃんだった頃に
実家に遊びに来た時の話である
義姉は巨乳だが、母乳が出ないらしく
亜矢ちゃんはミルク
で育っていた
あかりに母乳を飲ませる横で、義姉が言う
「あかりちゃんが羨ましいわ
亜矢は母乳の味を知らないの
」
「そうなんだ
」
貧乳だが、溢れるほど出る私の母乳
「ねえ
もし良ければ私の母乳・・・
亜矢ちゃんに飲ませてあげようか
」
「あかりちゃんは
」
「あかりに飲ませても、余るくらい出るから
」
「わ～うれしい
ミルクより母乳の方が絶対に良いもの
亜矢ちゃん
～良かったねえ～
」
義姉は私と同い年
シャキシャキしたしっかり者の関東人である
九州育ちの私たちとは微妙に考え方が違うのか
話の流れの中でこんな言葉を口にした
「九州だけですよ
長男が親を看ないといけないなんて言うのは
」
元々、義姉を気に入ってなかった父と母は
この言葉で更に心が離れた様であった
それまで、何となく気に入ってない様子は伝わっていたものの
義姉の事を悪く言うことはない両親だった
しかし、そのひと言がよほど頭に来たのか
母が義姉の居ないところでポツリと私に言う
「母乳も出ないなんて・・・
」
「お母さん、そんなこと言っちゃ～ダメだよ
それは仕方がないことなんだから
」
「わかってるけど
朝彦もどうしてあんな人と結婚したんだろう」
それから数年経ち、あかり（３才）・宙（１才９ヶ月）になった
そして私のお腹の中には赤ちゃん
ゴールデンウィークに遊びに来た兄たちにも
第二子が誕生する様であった
性別は私が男の子（次男）で
義姉の方は女の子（次女）である
義姉が言う
「うちは２人でおしまいだわ
まゆみさんは、もうひとり」
「いやいや・・・うちも３人で良いわ
２人なら～同性の方が子どもにとって
男女ひとりずつより良いかもね
」
お茶
を飲もうと台所に行くと、父と母が話していた
「朝彦のところは、また女の子みたいね
」
「そうか
３人目は男の子だったら良いけどなぁ～
」
父は三男であるが、ご先祖様をとても大切にする
昔っから【岡田家】のルーツや言い伝えを聞かされて
私たちは育って来た
それだけに、自分の代から始まる新しい【岡田】への思いは強く
よく【後取り】と言う言葉を口にしていた
「お父さんお言葉を返すようですけど・・・
兄ちゃんのところは今度の女の子で打ち止めらしいよ
」
「そうか
」
兄の子供が女の子２人であれば
自分の代の【岡田】は途絶えてしまうわけである
父はそれをとても淋しく思っていた
「別に後を継ぐものがあるわけでもないし
構わないんじゃないの」
父は無言でその場を去った
父は初孫のあかりを特別扱いする
元々、男の子より女の子が好きである
私や妹の香織は父から怒られた記憶がないが・・・
兄には厳しかった父である
娘の娘なのだから、可愛さも半端ないのだろう
実家と同じ福岡に住む私たちは
しょっちゅう実家に遊びに行く
当然、あかりや宙も父や母に懐いている
年に１度遊びに来れば上出来と言った兄たち
亜矢ちゃんが父や母に懐くわけもない
スルスルっと、まるで自分の特等席かの様に
父の膝に座るあかり
父の顔はデレデレと緩んでいる
そんな光景を見た兄は、亜矢ちゃんを父のところに連れて来て
「亜矢も抱いてやってくれないか
」と言った
だが、亜矢ちゃんはイヤイヤと逃げて行った
「朝彦無理矢理連れて来なくても良いぞ
」
父が言う
淋しそうな表情を浮かべる兄に、何だか申し訳ない気がした
自分の子が親に可愛がってもらえるのは嬉しいものである
「兄ちゃん仕方ないよ
たまにしか会わないんだから
うちは、いつも遊びに来てるからね
何か・・・ごめんね」
「いやいや、おまえが謝る事じゃないよ」
「うん・・・でも、兄ちゃんが淋しそうだったからさ～」
兄たちが帰って、母が言った
「亜矢ちゃんは気を使うわ」
「どうして」
「何をするにも、お嫁さんの目が気になるわ
あかりちゃんや宙くんだったら、好きに出来るけど～
亜矢ちゃんにはお菓子ひとつあげるにしても
お嫁さんにお伺い立てないといけないしね
」
父も言う
「嫁が可愛くないと～子どもにも情が湧かんな
」
「だって・・・兄ちゃんの子じゃない」
父は義姉のいろいろな言動に相当頭に来ている様であった
「やっぱり懐いてくれる子が一番可愛いのよ」
母が言った
☆*ﾟ ゜ﾟ*☆*ﾟ ゜ﾟ*☆*ﾟ ゜ﾟ*☆*ﾟ ゜ﾟ*☆*ﾟ ゜ﾟ*☆*ﾟ ゜ﾟ*☆*ﾟ ゜ﾟ*☆*ﾟ ゜ﾟ*☆*ﾟ ゜ﾟ*☆*ﾟ ゜ﾟ*
おばあちゃんになった今、思う
初孫は特別な存在であるヾ(＠^▽^＠)ﾉ
～（166）へ続く～
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