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一昨年、父(享年75歳)の7回忌を迎え
父を思い出す事が最高の供養だと思い
この連載を書くことにしました
父(三男)は熊本の貧しい農家の
4番目の子どもとして生まれました
一番上の姉(初子)を筆頭に
その下には男五人(一男・二男・三男・四男・五男)
の6人姉弟そんな父と私のお話です
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初めての方はこちら から
季節は夏
「何を送ろうかしら」
実家へ遊びに行くと~母はお中元のカタログを広げ
頭を悩ませていた
「うちの義両親はそうめんで良いよ
結構、好きみたいで良く食べるらしいから」
「青木(私の旦那の実家)の方はもう決まってるんだけど・・・
小久保(妹の旦那の実家)の方が困るのよね」
妹(香織)はブティック経営の社長のお宅へ嫁いでいた
3人息子の長男が妹の旦那である
全国各地に店舗を持ち景気も良いようであった
いわゆる玉の輿であったが・・・
両親はその結婚をあまり喜んではいなかった
父は私が独身の頃から、結婚する相手は自分と同じ
サラリーマンの家庭で育った人が良いと言っていた
似た様な環境の方が、価値観も似ているという理由だ
私は旦那も義父もサラリーマンで
父も母も義両親とは同レベルでお付き合いが出来ると言う
が、妹の方はそうはいかないようだ
妹が結婚する時も、結納の品が凄かった
結婚式も・・・まるで芸能人の結婚式の様に盛大だった
金銭感覚が私たちとは違い過ぎる
父も母も失礼がない様に、必要以上に気を使っているのがわかる
妹はお姑さんの家から車で5分くらいのマンションに住んでいる
結婚して2年ほど、子どもに恵まれなかったが
その後、女の子を授かった
子育てでバタバタしているにも拘らず
1週間遊びに行かないと姑から呼び出しがあると言う
「香織も大変だね
お姑さん、面倒臭そうだもんね」
「そうよ~真弓は気楽で良いわよ
同じ長男の嫁でも大違いね」
妹は食材の買い物もデパ地下である
私が「贅沢ね~高いでしょ」と聞くと
「お義母さんから、そうするように言われてるのよ」と言う
地元商店街のお付き合いや見栄もあるらしい
「安いスーパーなんかで買うところを見られて
『あそこは景気が悪い』なんて噂されるのが嫌なんだって」
だが、家の中ではかなり節約ムードが漂っているらしい
まあ~お金持ちというのはそんなものかも知れない
「何だか矛盾してるよね」
「そうなのよ~
基本、人から見えるところは派手に
見えないところは地味にって感じね
だから、洋服なんかは~
『どんどん買ってお洒落して出掛けなさい』って言われる」
「どんどんたって・・・そんなには買えないよねぇ~」
「あ~~洋服はお義母さんから、うちのお店のカード貰ってるの
だから、払いはお義母さんがしてくれるのよ」
「わ~良いなぁ
じゃあ、どんどん買えば良いじゃない」
「でも、買ったら報告に行かないといけないし
うちのお店以外の洋服は着づらいし・・・
私は歩く広告だから、極力体型は維持してないといけないし
結構、大変なのよね」
亭主関白の1才年下旦那にも逆らう事がない妹
お姑さんの言いつけも守る
ストレスが溜まりまくっているのではないかと
父も母も心配する
そんな両親の姿を見て思う
子どもが結婚して、母になったとしても~
『親っていつまでも心配するんだな』
そして、私も内容は違うかもしれないけれど・・・
いろいろ心配されてるんだろうなと思った
妹の方のお中元
毎年、お米に決めたみたいよ
~(171)へ続く~
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