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一昨年、父(享年75歳)の7回忌を迎え
父を思い出す事が最高の供養だと思い
この連載を書くことにしました
父(三男)は熊本の貧しい農家の
4番目の子どもとして生まれました
一番上の姉(初子)を筆頭に
その下には男五人(一男・二男・三男・四男・五男)
の6人姉弟そんな父と私のお話です
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初めての方はこちら から
義母が血液の病気で入院
退院は難しいのではないかと医者から話があった
と言うことは・・・どう言う事なのかすぐにわかった
お母さんが大好きな旦那はショックで元気がない
見る見るやつれてくる義母に
何にも出来ない虚しさをおぼえた
いつも私の両親を大切にしてくれる旦那
せめて・・・私なりの精一杯の看病をしようと心に決めた
病院までは車で1時間半ほどかかる
平日は仕事があるので、出来る限りの土日に行く事にした
他の日は、病院の近くに住む二人のお義姉さんたちにお願いした
こんな時~兄弟(姉妹)が居るのは有り難く心強い
旦那の実家と私の実家へは同じくらいの頻度で遊びに行っていた私たち
だが・・・うちの方へ遊びに行く時間が取れなくなった
父に電話した
「青木のお義母さんが入院して看病するから
しばらくそっちに遊びに行けないと思うわ」
「そんな事なら、淋しいけど仕方ないなぁ~
大変だけど・・・しっかり看病してあげるんだぞ
父さんたちの事は気にしなくて良いから」
当時、中3だった娘のあかりも一緒に病院に行きたいと言う
あかりは卓球部に入っていて、3年生は3人しかいない
毎年1回戦で敗退していた女子卓球部は
汚名を晴らそうと、中体連に向け猛練習に励んでいた
そんな中、土曜日の練習を休むあかりに
キャプテンは文句を言う
私はあかりに言った
「おばあちゃんには気持ちは伝わってると思うから
練習に行ったら
いつもいつもキャプテンに嫌味を言われて嫌でしょ」
「私は卓球よりおばあちゃんが大事
もし死んでしまったら、もう会えなくなる
キャプテンだって、最初は『良いよ』って言ってたのに
急にごちゃごちゃ言い出すんだもん
私は何を言われても平気」
あかりは目を潤ませてそう言った
命の大切さをわかってくれる子に育って嬉しかった
義母はだんだん動けなくなり
私たちの問い掛けにも反応しなくなった
腹水が溜まるため、定期的に水を抜き
体にはたくさんの管が通っている
息苦しいのか、いつも口を開けている
喉が乾燥するが・・・水は飲めない
医者から小さく氷を砕いて口に入れてあげるように言われた
完全看護ではないので、四六時中~義父は付き添いをする
氷をちょくちょく口へ入れてあげないといけないので
簡易ベッドを借り、義父は病院で寝泊まりした
そんな義父が腹痛を訴え、盲腸から腹膜炎を起こし
同じ病院に入院する事になった
義母の付き添いが出来なくなった義父に代わり
2人のお義姉さんと旦那と私で、交替で病院に泊まった
義母はただ静かに息をしているだけである
「お義母さん」
呼んでもやっぱり~反応がない
お義姉さんたちも私も、仕事をしながらの看病である
義母の意識が無くなって数ヶ月・・・
みんなにも疲れが出だした
日曜日~病院でみんな顔を合わせても、話をする元気もない
私はだた病室に座って、義母の口に氷を入れてあげ
お義姉さんたちは髪をとかしてあげたり
身体を拭いてあげたりしている
疲れた
みんな声に出してこそ言わないが・・・そう思っているのが
ひしひしと伝わって来る
そんな私たちを見兼ねた主治医が切り出した
「お母様は今とても苦しいと思います
無理矢理延命している状態ですからね
私は・・・自然な形に戻してあげたらどうかなと思うのですが
ご家族の同意がないと点滴や管を外す事は出来ません
外すと・・・3時間・・・・です
みなさんで相談されてお返事下さい」
主治医は病室を出て行った
しばらく沈黙が続く
最初に口を開いたのは下のお義姉さんだった
「私は・・・もう良いかなって思うの
先生も言ったでしょお母さんは苦しいって」
すると上のお義姉さんも言う
「私も同じ意見よ
みんなで一生懸命看病したんだもん
お母さんだって、きっとわかってくれるわ
良ちゃんはどう思う」
お母さんっ子(マザコンとも言う)の旦那は何と答えるのだろう
「姉さんたちが良いなら~自分も良いよ
早くお母さんを楽にしてあげたい」
そして上のお義姉さんから聞かれた
「まゆみさんは」
私の口から「もう良い」などとは言えないと思った
「私は・・・・少しでも長生きして欲しいです
でも~私の意見より、お義父さんと姉弟3人で決めて下さい」
『この生活から解放されたい疲れた』
と言うのが本心であった
何と薄情な嫁であろうか
実の両親が同じ様な状態になった時
私はどう結論を出すのだろう
きっと・・・きっと・・・1分でも1秒でも
長生きして欲しいと思うに違いない
姉弟の意見が固まり
病状も落ち着いてきた義父の病室へ行った
上のお姉さんが、主治医から言われたこと
みんなで話し合ったことを義父に話す
すると・・・義父は静かに口を開いた
「そうだな
お母さんも、もう十分かもしれないな
俺が主治医の先生にお願いして来るよ」
義父は義母の身体から管を外してもらうようにお願いした
主治医はお義母さんに
「青木さん良く頑張ったね」
と肩をポンポンッと叩き、ねぎらいの言葉をかけた
点滴や管を抜いた後、言った
「3時間前後だと思いますので・・・
呼びたい方がいらっしゃいましたら連絡して下さい」
お義姉さんたちは、それぞれの旦那を呼び
義兄たちが駆け付けた
みんなが見守る中~義母は静かに息を引き取った
「おかあさ~ん」
「おかあさ~ん」
「おかあさ~ん」
病室に義母を呼ぶ声が響き渡る
~(174)へ続く~
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